宿題やったの?
のんびりしている我が子は、もう宿題をやってあるのかしら。
そう思って声をかけたことがありますか。
こんな感じでしょうか。
「宿題やったの?」
この一言を、ちょっとだけ工夫すると、新しいことが見つかるかもしれません。
宿題というのは、普通、クラスの子全員に同じものが出ます。
「計算ドリルの○○ページをやってきなさい」という宿題です。
先生方も、本当は、一人一人にあった宿題を出したいと思っているのですが、今の学校の状況では、なかなか難しい場合が多いのです。
40人の子が現在全く同じ実力ならいいのですが、実際にはそうはいきません。
「計算ドリルの1〜2ページ」に対して、以下のように分かれるでしょう。
A君 一人では全然解けない。
B君 何とかできるけど、時間がかかる。
C君 わりあい楽にできて多分大丈夫だけど、ちょっと不安。
D君 あっという間に終わり、自信たっぷり。
計算ドリルの1〜2ページという宿題は、Bの子にぴったりの宿題です。
先生から言われたとおりしっかりやれば、宿題をやっただけで力は伸びます。
ちょっと欲を出して、1回やってきなさいと言われた計算ドリルの1〜2ページを3回くらいやって、スピードを上げると、素晴らしい勉強になります。
A君は大変ですね。
でも、多分、今日の時点で、この宿題は、クラスのほとんどの子にとって、それほど難しくはないと考えて先生は出していると思います。
ここは、頑張りどころです。
お父さん、お母さん、ぴったり横にくっついて、朝までかかっても、ちゃんとやらせましょう。
大変な分だけ、力を伸ばすチャンスです。
困るのはC君とD君です。
C君は、この宿題がちょうどよいと思ってしまいます。
でも、そう思うのは危険です。
完璧ではないから、似たような問題をもう一度やっておこうと考えられたらいいのですが、人間というのは、なかなかそうはいきません。
普通は、出された宿題以上のことはしません。そのうちにスピードに翳りが出始め、気づいた時には、どうしようもなくなっています。
もう一度やっておこうかなと思えるように育てることが必要です。
市販の問題集がこういう時に役立ちます。親がこっそり用意してやっておけばいいでしょう。
D君は、さらに危険です。
楽にできたから自分は優秀だと思ってしまいます。
確かにこの時点では優秀なのですが、他の子がこの宿題に必死に取り組んでいる時間、ぼんやりと遊んでいたのでは、いつかは追いつかれ、「優秀」の座を失っていることに気づく日が来るでしょう。
D君は、余った時間を他の勉強に使えば、いつまでも優秀でいられます。
余った時間は、一番好きな勉強をやればいいでしょう。
勉強といっても学校でやっている教科に限ることはありません。ゲームなどで過ごすのではなく、好きなことを調べたり、やってみたりすればいいのです。
「宿題やったの?」を毎日言っても、答えは「やったよ」で終わりです。
そのうちに「うるっせ〜なぁ」か何かになって、親子喧嘩も始まります。
「今日の宿題、楽だった?」に変えてみませんか。
お子さんの返事によって、お子さんの今の学習状況もわかるし、いろいろな対処ができると思います。
訊き方もちょっとだけ工夫するだけで、お子さんの未来は変わります。