子どもは嘘をつく
子どもは、嘘をつきます。
平気でつくか、悩んでつくか、いろいろなケースがありますが、子どもは嘘がつけます。
こんな例があります。
「今日、学校で、B君に下敷きを割られた。」
それを聞いたA君のお母さんは、B君の家にすぐに抗議の電話。
でも、B君は、「それは、A君が自分でやったんだよ」と言います。
そんなはずはないと興奮したまま電話を切ったお母さんは、A君を問いただします。
事実は、B君の言うとおり。
A君は自分で割ってしまったことをお母さんに言えずに嘘をついたのです。
お母さんは落ち込みます。
「Aは、今まで嘘なんかついたことがない。下敷きを割るなんていう乱暴な子どもではない。どうしてしまったのだろう。Aは嘘をついた。私はAに裏切られた。」
A君のお母さん、落ち着いてください。
A君は、お母さんを裏切ったわけでも、計略を立てて嘘をついたわけでもありません。
下敷きも、割ったのではなく、何かの拍子に割れてしまったのです。
A君は、お母さんが思っている(理想の)A君になりたかっただけです。
ただ、それだけです。
A君は、お母さんが思っているような大人しい男の子ではありません。
やんちゃで元気な男の子です。
学校や友達の家では、いたずらも失敗もいっぱいしています。
でも、それがわかると、お母さんが期待している子どもでいられなくなるから、嘘をついてしまうのです。
きっと今までも、同じような嘘をついていたと思います。
A君は、お母さんをだまそうとしたのではありません。
A君は、ただ、ただ、お母さんが好きなだけなんです。