里帰り
春風亭柳昇さんの落語「里帰り」を時々、子どもたちにビデオで見せました。
ストーリーは、以下の通りです。
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ある日、嫁に出した娘が実家に泣きながら帰ってきます。
お父さんとお母さんが訳を聞くと、「嫁ぎ先の姑さんが自分につらくあたるので飛び出してきた。殺したいほどつらい」と言います。
すると、お父さんは「殺してしまいなさい」と娘に毒薬を渡します。
「ただし、今すぐ使ってはいけない。今使えば、いちばん仲の悪いお前がやったとすぐにばれてしまう。」
「使うのは1年後。1年間は我慢して、姑にやさしくしてやって仲良くなりなさい。1年間続ければ、世間の人も、あんなに仲のよい嫁が毒薬を使うはずがないと、逆にかばってくれて、お前が犯人だとは絶対わからない」
娘は、それを聞くと、毒薬を使うためなら何だってすると、喜んで嫁ぎ先に戻ります。
1年後、娘はうれしそうに実家に帰ってきます。
「その顔は、うまくいった顔だね。毒薬は効いたかい。」
そう、父親が聞くと、娘は
「違うの。お父さんの作戦通り、私がお姑さんにやさしくしたら、お姑さんもだんだん私にやさしくなっちゃって、今では、本当の仲良しになったの。だから、毒薬は使わなかった。お返しします。」
と、うれしそうに言います。
すると父親は、「実は、これは毒薬ではなくて、ただのうどん粉だよ」
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この話は、いろいろな場面で、私の人生を助けてくれました。
この話がいつも心にあるおかげで、多くの人と仲良くなるチャンスを逃さずに生きてくることができました。
また、子どもにいろいろなことを教える時は、これを理想としたいといつも考えています。
わくわくしながら夢中になって教わったことをやり続けるうちに、本人が考えている以上の力がついている。
そういう教え方ができればいいなあといつも思っています。
ちなみに、この話に感動したと、女性に言うと、「嫁と姑の関係は、こんなに甘いものではない」と一蹴されることがあるので、男性のみなさん、ご注意ください。