ありがとうポスト
今年の教室にはありがとうポストがあります。
ありがとうと伝えたい人に小さなカードを贈るためのポストです。
1日分を日直が集め、いちばん素敵なカードは翌日の朝の会で紹介されます。
カードはその後、あて先の子の元に配られます。
最初は、「○○を貸してくれてありがとう」という個人的なありがとうでした。
そのうち、「トイレのスリッパを整頓してくれてありがとう」と公共のために働く人に気づくようになりました。
しばらくすると、ありがとうの後に、「あなたのおかげで教室がとてもきれいになりました」というような一言が続くようになりました。
たった2ヶ月の間に、子どもたちは見る目を広げ、贈る言葉を深めました。
これがこのカードのいちばんの目的です。
悪いことはすぐに目に付くのに、よいことは見落としてしまいがちです。
それに気づく目を持ち、その視野を広げ、それについて自分の考えを持ち、それを相手に伝える。
そういう技術がないと、いくら心の中が優しくても、誰の役にも立ちません。
心を育てるのは家庭、それを上手に人に伝える技術を学ばせるのが学校。
そう考えるとそれぞれの場で子どもたちに何をしてやればいいかがはっきりわかってきます。
家庭のような少人数の場所では、ありがとうポストはいりませんね。
家なら直接言えばいいですもの。
でも、作ってみますか。意外な発見ができるかもしれません。