感動しているのを感じる
「娘の感受性が育ってきたようで、道徳の副読本の感動的な話を読みながら、うっすらと目に涙をためていました」
Aさんのお母さんから、素敵なコメントをいただきました。
何が素敵かというと、まず何よりも、娘さんが感動していることを、お母さんが見つけたということです。
当たり前のことのように思われるでしょうが、自分の娘や息子が感動している場面に、何度出会えたかを振り返ると、実は、なかなか難しいことなのだと思えてきます。
その人の心の在り様というのは、自分も同じ感情体験をしていなければ理解するのはなかなか難しいことです。
負けたことのない人には、負けた人の気持ちは、本当にはわかりません。
Aさんのお母さんも、感情豊かな、素敵な体験を重ねていらっしゃるのでしょう。
さて、感受性、感動する心は、子どもの中に自然に生まれますが、それが心に定着して、感動する大人になれるかどうかは、周りにいる大人の言葉で決まります。
感動を言葉に変えてくれる大人が周りにいれば、感動は心に定着し、感受性豊かな大人になることができます。
ぜひ、お父さん、お母さんも、お子さんと同じものに感動して、その感動がお子さんの心に定着できるよう、感動を沢山の言葉に変えてやってください。
とはいえ、感動している子に話しかけるタイミングというのも、難しいかもしれません。
へたに言葉をかけると台無しになってしまいそうな気がすることも多いものです。
そんな時は、例えばその本を、お子さんの近くで静かに読んで、静かに感動してください。
まずは、言葉はなくてもいいです。
そうしたことの積み重ねから、親子の心は、同じ振動で震え始め、いっしょに成長できるのかもしれません。