やさしい金魚
昨日のＡさんの日記は、家で飼っている金魚についてでした。
全文をそのままここで紹介するつもりでしたが、うっかり、Ａさんに許可をもらうのを忘れてしまったので、概要を書きます。Ａさんの日記は、こんな内容です。
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うちには、大きいのから小さいのまで、10匹の金魚が仲良く暮らしている。
毎朝餌をあげる時は、みんな口をぱくぱくさせて待っている。
今朝、大きい金魚が小さい金魚のために餌を残してやっているのに気づいた。
ずっと前から仲が良かったけれど、こんなことは今までなかった。
金魚も思いやりを持てるんだと思った。
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Ａさんのこの３ヶ月の行動を思い出しながら、この日記を読んでいたら、返事の言葉が自然に出てきました。
以下は、私の書いた返事です。
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もしかしたら、これは、金魚が変わったのではなく、君が変わったのかもしれない。
この世界は、やさしさがあふれている。身の回りには数え切れないほどのやさしさがあふれています。
なのに、多くの人はそれに気づかない。理由は、人にやさしさを贈っていないから。
掃除をしっかりやる前より、やった後の方が、きっと、掃除をまじめにやっている人が誰なのかが、よくわかるようになってくる。
トイレのサンダルを自分がしっかり整頓するようになってからの方が、同じことをしている友達が目につくようになる。
この前、君がサンダルをしっかり整頓しているのを見たよ。
金魚がやさしくなったように見えたのは、君がこの２ヶ月、人にやさしさを積極的に贈るような行動をしているからだよ、きっと。
進化したのは、金魚じゃなくて、君なんだよ。
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Ａさんは、クラスの中で目立つ方の人ではありません。
でも、Ａさんの行動を見ていると、いつでも人のために働いているのが、よくわかります。
そのことをみんなの前で自慢することもありません。
そんなＡさんだから、金魚の仕草が、やさしい行為に見えたのだと、私は思いました。
さらにうれしかったのは、Ｂさんの日記に、「私の理想の人、目指す人はＡさんです」と書いてあったことです。