やっているから
朝の会の幸せと感謝のコーナーで、Aさんが、こう言いました。
「B先生は、毎日ロビーの水槽の水を換えているので、尊敬しています。」
B先生は、今年、この学校に赴任したばかり。
授業も直接受けていないので、Aさんにとっては、それほどなじみのある先生ではないはずです。
でも、そんなB先生が、みんなのために毎日水槽を綺麗にしてくれる姿を、Aさんは見つけたのです。
最近のAさんを見ていると、クラスのみんなのために、よく働いているのがわかります。
給食当番ではないのに、いつも真っ先に配膳台を出し、時には、片付けの拭き掃除をAさん一人でやっていることもありました。
Aさんは、それをひけらかすでもなく、黙々とやっています。
事実、私が帰りの会で、Aさんのことを言うまで、Aさんが毎日そういう仕事をしていることに、ほとんどの子が気づいていませんでした。
Aさんが、B先生の仕事に気づいた秘密がここにあります。
子ども達は、授業や読書などで知識を増やしていきますが、「気づく」という力は、これだけでは育ちません。
実際に自分がやっていることを、他の人がやっていると、それに気づくことができるのです。
お子さんが、何かよいことに気づいたら、よく気づいたねとほめると共に、この子もどこかで同じことをしているはずだ、と思って、お子さんをよく観察してください。
よく気づいたね、の何倍も強くほめることになるでしょう。
人の悪いところを見つけたら、この子も同じ悪いことをしているんじゃないか、というふうには、くれぐれも応用しないでくださいね。