自分だけ違う
今担任しているクラスには、外国語を自由に操れる子が二人います。
私から見れば、うらやましい限りですが、本人達には、どうもそうではなかったようです。
自分から外国語を話すことはもちろん、「みんなに少しだけ教えてほしい」と私が頼んでも、なかなか外国語で話そうとはしませんでした。
二人にとって、外国語が話せることは「みんなと違う」ことで恥ずかしいことだったのです。
○人と違うということは、人が持っていない能力を持っているということ
○それは、みんなのために使うと自分の魅力になる
この話を何回か繰り返すうちに、二人は、外国語で話せることがいいことだと思ってくれるようになってきました。
「空気を読む」
「歩調を合わせる」
「まわりを見て自分の間違いに気付き、自分を正す」
これらは、「人も自分も幸せになる」ために、大事なことです。
ただ、このことと、「他人と同じことをする」ことは違います。
しかし、子どもたちは、この二つを混同して考えがちです。
昔、掃除がとても好きで、上手な子がいました。
残念なことに、その学級では、「掃除を真面目にやるのは、かっこ悪い」という雰囲気が充満していました。
その子は、その雰囲気に合わせるために、掃除をしっかりやっていないふりをするようになりました。
本当にもったいないことです。
掃除が好き、掃除が上手なんて、とっても魅力的なことではありませんか。
お子さんが、人と違うところはどこですか。
それは、必ずしも、他の子と比べて「優秀」なところである必要はありません。
たとえば、「うちの子は、大きい声で歌うけれど、音が外れている」でも、いいんです。
大きな声で歌えるのは、歌が好きだからです。
何かが好きな子は、ぴったりの指導者に出会った時に、突然その力を発揮できるようになります。
お子さんの人と違うところを、お父さん、お母さんが目にしたら、お子さんが自信を失う前に、「ここは、ほんとうにあなたのよいところだね」と毎日お子さんに言い続けてください。