力を最大限に生かして

 「6年生の卒業をお祝いする会」という全校児童集会がありました。

5年生が中心となって、6年生に歌やメッセージをプレゼントします。

 初めて全校集会を運営する5年生でしたが、体育館の飾りつけ、集会の企画、進行、他の学年との連絡調整など、実行委員会という組織を作って、それぞれの持ち場で全力を出してくれました。

 司会進行は、A君とB君の二人です。

 A君は機転が利き、元気はつらつと物事を進めます。

 B君は、臨機応変に行動するのは、A君ほど得意ではありませんが、しっとりしたナレーションの能力が抜群です。

B君の読むナレーションの原稿は、場面ごとに区切り、学年全員で分担を決め、取材などを行い、文章を考えました。

B君は、家で、お父さんやお母さんに何度も聞いてもらい練習を重ねました。

 A君には台本は用意しませんでした。

A君は台本を読むよりも、進行表を見て、その場で考え話した方が生き生きとし、ちょっとした「事故」にも対応しやすいからです。

 本番では、B君が心に染み入る語りかけをし、A君が段取りよく集会を進め、お祝いする会は無事に終わりました。

 二人とも、自分の力を最大限に発揮してくれました。

 子どもたちには、何でも経験させたいと思います。

でも、それは、手当たり次第何でも、というわけではありません。

人には、それぞれに特性があり、その特性にあったチャンスをもらえれば、成功する確率が高くなり、成功は自信に、自信は次の成功へとつながっていくからです。

 兄弟といえども特性は微妙に違います。

任せて成功する家事も、少しずつ違ってくるかもしれません。

 ただ、特性といっても、子どもの場合は、それが永遠に続くものではありません。

14歳までの人間の特性は変化の連続ですし、10歳以下なら、経験によって、180度違う人間になれる可能性もあります。

 今、いちばんできることは何かを見てやり、同時に、想像もつかない可能性を楽しみにする。

これが、子育ての醍醐味のひとつですね。


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