やさしい友達
6年生の帰りの会で話したことです。
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やさしい友達がほしいよね。やさしい人と、そうでない人の見分け方を教えてあげよう。
やさしい人は、
1 人の嫌がる呼び方で、その人を呼ばない人
2 給食の食器を音を立てずに返す人
3 嫌いなものが出た日の給食も残さず全部食べる人
1の理由はわかるよね。
2は、こんな理由だよ。
家で自分の食器を大きな音を立てるように置く人はいないよね。
食器がいたむものね。
でも、よく見てごらん。
給食の片付けをする時、自分の食器と同じようにやさしく扱う人と、そうでない人がいるよ。
自分の食器も、みんなの食器も同じように大事に使う人は、きっと君のことも、自分のことと同じように大事にしてくれるよ。
3の理由はわかるかな。
好き嫌いのない人は、とても立派だよ。
でもね、食べ物には好き嫌いがあるのも当然だと思う。
僕は肉と魚とくだものが嫌いなんだ。
でも、嫌いでも、給食は全部食べなくちゃ駄目だと思う。
この給食は、お父さんやお母さんが毎日働いて稼いだお金を君のために使ってくれているから食べられる。
全部食べることが感謝の気持ちをお父さんやお母さんに伝えることになるんだよ。
もっと広い目で見ると、給食の材料は、全部今まで生きていたものだ。
君がその命を食べるのだから、一粒たりとも残せないよ。
すべての命に感謝できる人は、本当にやさしい人だと思う。
こんなふうに、目の前にいないお父さんやお母さん、そして、君に命をささげていくものたちへ感謝の気持ちを持てる人は、君が目の前にいない時も、君を友達として大事に思ってくれるよ。
明日から気をつけて見ていてごらん。君の周りにはやさしい人があふれていることがわかるよ。
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こういう話をすると、その人のほんのわずかな行動で、その人の全部を評価するのか、という批判をもらうことがあります。
私はそうは思いません。
その人の人となりは、すべての行動の中に同じように見られるのです。
人を見る時の基準を自分なりにもてば(その基準は、年を経るごとにかわっていってもかまいません)、素敵な人に出会う確率は高くなります。