視野の広がり
4年生の子どもたちは初めての宿泊学習に、どきどきわくわくしています。
どんなことをするのか、説明だけではわからないことも多いので、今日は、係の仕事の確認を兼ねて、リハーサルをやってみました。
子どもたちは「疲れた〜」と言っていましたが、最後まで上手にリハーサルができました。
その中で、とても感心したことがあります。
実は、今日、欠席者が4人もいました。
どの子も一人一役の係がありますので、4人休んでいたのでは大変です。
4人の中には、キャンドルサービスの司会という大役のBさんもいました。
ところが、こちらが何の手助けもしないのに、リハーサルはきちんと進んでいったのです。
司会者のBさんをはじめ欠席した4人の分を、子どもたちが相談して決め、全部を問題なくやり通しました。
これは、自分の係のことだけで精一杯の子、自分の係のことしか考えない子の集まったチームではできないことです。
自分の係の仕事をきちんとこなすのは、もちろん大事なことですが、自分の係以外の仕事のこと、さらに全体のことを考える「広い見方」のできる人が集まった時、そのチームは本当に動き出します。
例えばサッカーで、技術的に優れた人が11人集まっただけではチームは勝てません。
11人全員が戦術を理解し、全体の流れをつかみ、空いた穴をそれぞれの判断で埋めていく「広い視野」が必要です。
小学校では、1年生になったばかりで自分の係りのことを精一杯やるだけだった子どもが、6年後には、学校全体のことを考えて動く児童会を担って活動できるようになります。
このことはとても重要で、学習の中でも視野は少しずつ広げられていきます。
例えば社会科では、
3年生は、学校区のことを学習し、
4年生は、市町村や都道府県のこと、
5年生は、日本全体のことや他の国とのつながりを学びます。
そして、6年生は、歴史の学習で「時間の視野」を広げていきます。
こうした「視野の広がり」という面から、一度お子さんをご覧ください。
知らぬ間に成長しているお子さんの姿に驚かれるはずです。
人に親切にする、というのも視野の広がりの一つです。
自分の心しか見えなかった子が、人の心まで見ることができる「視野の広がり」を身につけたから、その子は人に親切にできるのです。