すみをふく
先日、ちょっといじわるして、掃除が終わった後、床の隅を拭いてみました。
「みんな、一所懸命やっているつもりかもしれないけど、隅にはこんなに埃が溜まっているよ」と言うのが目的です。
ところが、私の雑巾には埃がつきませんでした。
子どもたちがすみまでしっかりと掃除をしてあったからです。
「失敗したなあ」と思いました。
私は、彼らの掃除をしっかり見ていなかったのです。
毎年ここまでしっかりやっている子はいないから、今年もきっと同じだろうと子どもたちを軽く見ていたのだと思います。
去年とは違う子どもたちなのですから、行動も違って当たり前です。
今年の子どもたちは、私の予想以上に掃除をきちんとできる子どもたちでした。
小学生の成長は途轍もなく早いので、同じ一人の子が半年前とは別人のように立派になっていることは、よくあります。
お子さんが予想以上に成長しているのに気づき、うれしい驚きを味わったことも多いと思います。
育っている途中の子どもを見る時には、私たち親も教師も、毎日新鮮な目を持たなくてはいけないようです。
経験を生かすのはとても大事ですが、それに頼りすぎて目を曇らせてはいけないのでしょう。
お兄さんがこうだったから、弟もこうだろう、と失敗したことはありませんか。
子どもたち一人ひとりをきちんと見つめていれば、親や教師も成長できるような気がします。
「親」とか「先生」をまじめにやっていさえすれば、自分自身も成長し続けていける。
そんなふうに考えると、ちょっとうれしくなります。