すてきな友達トップ3
すてきな友達トップ3という授業をしました。
「いつも笑顔の人」、「やさしい言葉を使う人」、「好き嫌いなく何でも嬉しそうに食べる人」などを、3人ずつ選んで自分の表に書いていきます。
全部で22項目、名前を書くますは、66こあります。
すらすらと書ける子、一人書いては鉛筆を止め空中を見上げている子、友達の表を覗いたり、友達に聞いたりしている子もいます。
周りの子の表の中に自分の名前があるか気にしている子もいますが、今回の授業の目的は、誰に何票集まったか、ではありません。
66ますの中に、何人の人がいるか、が今回の授業の目的です。(授業では、子ども達が表を埋め終えてから、授業の目的を話しました。)
これは、以前から書いている「視野の広がり」を実感させるためです。
22項目は、友達のあらゆる面が見られるようになっています。
まじめさ、明るさ、やさしさ、…もちろん、一人の子がすべてを兼ね備えている場合も多いのですが、30人もいると、よく見れば、それぞれの特徴がわかってきます。
まじめさだったら、Aさんだよなあ。でも、明るいっていったら、AさんよりもBさんかな。
こんなふうに、友達一人一人のいちばん良い面を考えていこうとすると、66のますの中の名前はバラエティに富んでくるでしょう。
一人でも多くの人の良いところを見つけることが、本物の友達を作ることにつながる。
これを知ることが授業の目的です。
時々、学級全員が友だちになるようにと望む先生もいますが、40人の人間が誰とでも同じように関わるというのは、とても難しいことです。
普通の人間なら、「何だかわからないけど、ウマが合う、気が合う」という人は、人生の中でも数人ではないでしょうか。
すべてを許し合える親友というのは、そう簡単にはできないのです。
ただ、だからと言って、学校時代に友達を増やせないのは、人生の大きな損失です。
夢を実現させるためには、互いに応援し合える「心のつながりを持った友人」がたくさん必要だからです。
普段、いっしょにいるわけでもよく遊ぶわけでもなく、それほどなかよしというのではない。でも、いっしょの教室で暮らしている中で、互いに素晴らしいところがあるのに気づく。
そんなふうに、一度尊敬し合った友達というのは、いざという時、とても頼りになる存在です。
「Aさんとは子どもの頃、毎日のように遊んでいた。でも、大人になってからは会うことはなくなったなあ。
逆に、この前、十数年ぶりに会ったBさんとは、最近よいつきあいができている。Bさんとはあんまり遊んだことはなかったけれど、前からあの人はすごいと感じていた。
Bさんも私のことをいい人間だと思っていてくれたらしい。」
こういうことは、よくあります。
さて、授業の最後に、自分の表に何人の友達が出てくるか数えてみました。
いちばん多かった子は19人。
クラスの人数が31人ですから、クラスの半数以上の友達の名前を書いています。
これは、大人でもちょっとまねのできない、すごいことだと私は思います。
食卓でのお子さんの話の中に、今年1年、何人のクラスメートの名前が出てきましたか。
お父さんとお母さんで、こっそり名前を書き出して見てください。
そして、1年後、同じことをしてみて、1年前よりもたくさんの名前がお子さんから出てきたら、ほめてやってください。
お子さんの視野は広がり、人のよいところをたくさん見つけられる人間に育っているのです。