反抗期というもの
保護者面談で、A君とB君のお母さんから、「反抗期に入ったようで、親に口答えをして困ります。
学校でも同じような態度で過ごしていないか、心配です」と言われました。
ご安心ください。A君とB君は、学校では、そんなことは一切ありません。
反抗期という言葉は一般的に使われますが、誰もかれもが同じ時期に親に反抗するわけではありません。
よく反抗期と言われるのは、幼児期と、青年期の初めの2回です。
小学生で問題になるのは、青年期の初めの第2反抗期と呼ばれるものです。
第1反抗期は2歳前後、第2反抗期は、10歳から14歳の4年間(個人差があります)に当たります。
各4年間の中でも、10歳から14歳は第二次性徴の始まりから安定という、体にとってはとても大変な時期です。
大人になるためのホルモンが脳からたくさん出るので、それを処理しきれなくて、子どもの心は、何か正体のわからないもやもやしたガスに包まれて、落ち着かなくなります。
そのガスは、心に溜めておくことができないので、必ずどこかへ噴出します。
一番出やすいのは、いちばん身近で、いちばん甘えられる親に向けてです。
これが、親への反抗期ということになります。
A君、B君のように、親に向けてガスが出ている子は、それで済むので、他の場所で、同様のことはしません。
ですから、学校でも家と同じような反抗的な態度ではないか、と心配する必要は全くないのです。
ところが、もし、何かの事情があって、親に向けてガスを噴出できない子は、他の場所でガスを抜きます。
むかし、学校で暴れた子たちは、みんな、
・家では良い子
・甘えられる親が近くにいない など、
家族の中に、ガスの噴出先がなかった子たちです。
10歳を越えても、家で反抗の兆しが出ない場合は、
A 学校など、どこか他の場所でガスを出している
B ガスが溜まっているのに気づかないくらい何かに夢中になっている
のどちらかです。
Bが理想的に思えますが、残念ですが、ほとんど、これはないと考えて、もし、家であまりに「できすぎくん」なら、どこかでガスを出していないか、心配してみてください。
4年間は、長く感じるかもしれませんが、第二次性徴が安定すれば、子どもも、その時点で変わるので、それまでは、がんばってください。
子育てには、いろいろなことが起こります。
その正体がわからず、いつ終わるかもわからないのでは、親もへとへとになってしまいますが、「4年ごとの節目」で考えていくと、ゴールもわかって、親もがんばりがきくのではないでしょうか。