楽しめるうちに指を使わせる
5年生の理科で、食塩と粉状の薬品を使うことになったので、予め、薬品を分包しておくことにしました。
理科室に薬包紙が充分にあったので、子どもの頃、病院でもらった粉薬のように包んでおくことにしました。
といっても、包み方がわからないので、ネットで調べました。
いくつもある折り方の中から、懐かしい形の折り方にしました。
自分でやってみると、なかなか難しく、しかも面白いので、食塩の方は、子どもたちに任せることにしました。
折り方の説明図を見ながら、子どもたちは四苦八苦。
綺麗に折るために、最後まで丁寧にやった子もいましたが、上手くできずに諦めてしまう子もいました。
4年生の新聞畳みは、ほぼ全員の子が最後まで夢中になったのに比べ、5年生は集中力が続かない子が多かったような気がします。
これには、いろいろな要因が絡んでいますが、十歳の壁の前後であることも、幾分か関係しているように思えます。
4年生は、新聞紙を畳んだ後、自分の服も「デパートなどの店で陳列されているように」畳むことに挑戦していました。
新しい作業において指を器用に使うことは、大人になると面倒なことが多いのですが、子どもは、ある年齢までは、どんなに面倒でも、それを面白がるのではないかと思います。
もしかすると、ゲームのコントローラーしか動かしてこなかった子は、それ以上の面倒な仕事はやらないのかもしれませんが。
指の動きは、脳の働きと密接に関係しています。
子どもが楽しんで指を使っているうちに、いろいろなことに挑戦させると、能力全体がのびていくかもしれません。
ちなみに、私は、薬品の方の分包を180ほど作りました。
最初は、こつどころか、折り方そのものさえ、よく理解できませんでしたが、100包を越えるころには、自分で楽しくなるほど、綺麗に紙を折れるようになりました。
六十歳を越えても、指を使うとちょっとだけ進歩するみたいです。