遊びとルールを創る力
読者の方から***********************************
やる気が起きない事でもやるようにするには、どのようなアドバイスをすれば良いのでしょうか?
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これは、大人でも難しいことですね。
やる気というのは、本人の問題で、どうしようもありません。
これは大人でも同じです。
立派な大人なら、すべてのことに「やる気いっぱい」で取り組めるのかというと、そうでもありませんよね。
大人は、それでも、責任感や世間体で頑張ってしまいますが、それで心の病気になることもあります。
子どもの場合は、本人にやる気がない事で、どうしてもやらせなければいけないと親が思ったことは、親が「鬼」になってやらせるしか方法はありません。
親が、どうしても今やらせなければならないと判断したことは、お子さんから憎まれてでも、無理やりやらせてください。
やる気が出るまで待っていたら、何もやらないで終わります。
ただ、無理にやらせるというだけでは、お子さんは、一生、やる気のない人で終わってしまいます。
それでは、幸せになれません。
「褒められるとやる気になる」と、よく言われます。
でも、それは、一時的なものです。
高価なスタミナドリンクを飲むと一時的に目が覚めるのと同じです。
やる気が長続きする人は、ひとつ、能力を持っています。
それは、自分で「遊び」を創造するという力です。「遊び」を「ルール」と言い換えてもいいかもしれません。
自分を楽しませる遊びのルールを自分で創れる人は、やる気が持続します。
最初は面白くないと思ったことでも、自分で遊びとルールを創ることで、面白いことに変えてしまうことができます。
遊びを創造する力は、どんな時に生まれるかというと、遊びがない時です。
日頃テレビゲームばかりやっている子を、1か月、山に連れて行ってゲームのない生活をさせたとします。
ゲームがないからといって、1か月間、その子は全く遊ばないと思いますか。
そんなことはありませんよね。身の周りにあるものを使って、新しい遊びを始めます。
また、同じような年齢の子がいたら、いっしょにルールを創りだします。
自分で遊びを考えなければ、そして、友達とルールを創りださなければ遊べないから、自分で考え、創るのです。
そんな時は、大人がうるさく言わなくても、「やる気」に満ちています。
この能力を身に着けた子は、勉強や仕事でも、遊びやルールを創る力を発揮し、集中して取り組むようになります。
でも、十分に楽しいルールが既にあるテレビゲームを次々にやっている子は、この能力がいつまでたっても身につかないので、他のことでやる気も集中力も発揮することはありません。
今の技術大国日本を創り、支えたのは、私の親の世代です。
私の親の世代が子供の頃は、テレビゲームはもちろんありませんでした。
わずかな遊び道具とたくさんの友達。遊びを創り、ルールを工夫しなければ遊べなかった時代です。
でも、その飢餓感が、人間としての能力を高め、日本を発展させる礎になったのです。
大人がスマホを握ってゲームをやっているこの時代に、子どもに遊びの飢餓感を持たせることはとても難しいでしょう。
でも、難しいからこそ、みんなができないからこそ、10歳まで、できたら14歳までテレビゲームをさせないことが、大きな能力を養うことになると思います。
親子でボードゲームをすると、すぐにこんな子どもたちはルールを創り始めます。
「お母さんは大人なんだから、1回休み」
「それは、ずるいでしょ」と笑いながら、「この子の力がひとつ上がった」と心の中で喜んでください。