学級懇談会に出席する

 新しい学年、クラスになった時、1年間、これをがんばろうと決めるお子さんも多いと思います。

1年間休まずに学校に行く、というめあてをもつ子も多いのではないでしょうか。

お父さん、お母さんも「皆出席」を目標にしてみませんか。

 まずは、学校から来るおたよりを見てください。

年間学校行事が書いてあると思います。

もしお便りになくても、PTA総会等で、年間行事予定は必ず配布されると思います。

 私はいつも最初のおたよりに1年間の学校行事の中でも、参観日、学級懇談会、学校公開、その他PTAの行事等、お父さんとお母さんが参加できるものをわかる限り全部書きます。

それは、全部の学校行事に参加してもらい、お子さんを見てほしいからです。

親に見られている幸せを子どもに味わってほしいからです。

仕事で忙しいお父さん、お母さんに来てほしいから、休みが少しでも取りやすいようにと考え、とにかくできるだけ早く年間の計画をお知らせします。

 夏休み前の学級懇談会の方は、最初に私の方から、現在の学習のポイントと、夏休みの学習についてお知らせした後、学級役員さんの司会で、和やかにいろいろな話題について情報交換がなされました。

 インターネット、携帯電話の子どもの使用状況や、それに関わる事件。

小遣いの与え方、現在の金額、どんな使われ方をしているか、

友達との貸し借り。

自転車で加害者になった時のための保険はどうしているか。

また、となりのクラスでは、どうやって60分の家庭学習をさせているか、宿題は家の中のどんな場所でやっているか、口答えをする年齢になったが、どう対処しているか、なども話題になったそうです。

 授業参観日は平日に行われることが多いので、なかなか参加できないという声も聞きます。

職場から駆けつけて、授業だけ見て、職場へ急いで戻っていく、というのも、ありがたい話ではありますが、懇談会は、授業参観と同じくらい重要だということを、ぜひ、知ってほしいと思います。

 理由は、主に二つです。

 一つ目は、生の情報を手に入れられるということです。

 小遣いのこと、ネット利用のことなど、どんな教育書を読んでも、なかなか参考にはなりません。

なぜなら、子どもたちは、「自分たち独自の社会」の中で、独自の価値をもって行動しているからです。

 お子さんがどんな経済活動をしているのか(100円の価値をどう思い、小遣いをどのように使わざるを得なくなっているか…)、ゲーム依存やネット依存が、友達との付き合い方にどれほど影響を受けているか等は、今、お子さんと関わっている友だちの実情によって左右されているのです。

 ですから、一緒の学級のお父さん、お母さんからの生の情報は、大変重要なのです。

 理由の二つ目は、さらに重要です。

 それは、親同士が互いに顔見知りになれる、ということです。

 子どもたちは、互いにぶつかり合い、いろいろな問題を起こします。

 しかし、最初は厄介なものに見える問題も、子どもは、ほとんど自分たちで解決します。

 そういったぶつかり合いは、子どもたちの成長に欠くことのできないものです。

 こうした体験を通して子どもが成長するためには、大人の見守る姿勢が大事です。

 子ども同士がちょっとしたけんかをした場合、親同士が仲良しだと、子どもたちはそのけんかをきっかけに親友になれます。

 子どもが、何か問題が起こったと家に帰って話した時、相手の子の親御さんの顔がさっと目に浮かべば、余裕を持って、それを聞き、助言することもできます。

また、互いに顔見知りになっていれば、子どもの知らないところで連絡し合い、子どもたちの成長にふさわしい解決方法に向けて、子どもを導いてやることもできます。

子どもたちが大喧嘩をするほど大変な問題になっても、親同士が顔見知りなら、ほとんどのことが上手に解決し、それが子供の心の栄養にもなるのです。

 ところが、相手の子の親を全く知らないと、疑心暗鬼にかられ、子どもの状況とは関係なく、親の心の中で問題が肥大化しすることも少なくありません。

本当は、子どもならよくある小さな諍いが、親の疑心暗鬼によって、大問題に発展することさえあります。

親同士が知り合いではないと、子ども同士のその小さな喧嘩が、マッチ1本の火が大火事になるように、「事件に成長」してしまうのです。

こうなると、問題がどのように解決しようとも、その事件は、子どもの心の栄養にはなりません。

むしろ毒となるのです。

 先日の学級懇談会では、PTAの学級委員さんが考えてくれて、前半は5、6人のグループでおしゃべり、後半を私の話、という構成でやってくれました。

何か特別なことをしなくては、と悩んでくださる学級委員さんもいますが、気楽におしゃべりタイムを設けるだけで、きっと、先生の一方的な話を聞いて帰るだけの学級懇談会よりも、仲良しの輪が広がります。

 授業参観日に、学級懇談まで出席するには、とても無理をしなければならないこともあると思います。

しかし、顔を合わせ、声を聞くという行為は、私たちが普段思っている以上に、価値のあることなのではないかと思います。親が無理をした分、子どもは大きく成長します。

 数年前、母が「スーパーで買い物をしていたら、あなたが幼稚園の時の○○先生に声をかけられたよ」と言いました。

先生の方で覚えていてくれたことを母はすごく喜んでいました。

その話の時に初めて知ったのですが、母は、私と妹が幼稚園から中学校を卒業するまで、授業参観や懇談会には全部行っていたそうです。

また、当時PTA役員をいっしょにやっていた人と今も仲良しのようです。

 母は、私が小学校1年生の時から二十年以上缶詰工場で働きました。

ベルトコンベアを流れてくる缶に、魚やみかんを詰める仕事でした。

そういう仕事をしていて、休みをとるのは大変だったと思います。

ですから、1度も懇談会を欠かしたことがないと改めて聞き、本当に驚きました。

私が友達といつも仲良くやってこられたのは、このことが大きな要因のひとつかと、今、思っています。

読者の方からのお便り*********************

 子供の参観、懇談会は面倒だけれども、何か意味があると思ってなるべく参加するようにしてきました。

中学生の子供は「来なくていい!」といいますが、うるさいババァと思われてもいい、参観、懇談会に行こうと思いました。

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読者の方からのお便り*********************

 双子の子どもがいますが、クラス懇談会は全部出ています。

今は幼稚園ですが、来年小学校に入れば、もっと大変になるだろうなあ。

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読者の方からのお便り*********************
 私はフルタイムで働いていますが懇談会は保育所から何とか全て参加してます。

 恵まれた環境ではありますが休むのは大変です。3時間だけ仕事をして早退したりです。

 今回、読んで息子たちに誉められたみたいでとても嬉しくて涙してしまいました。

ありがとうございます。まだまだ小学校も長いけど頑張って出席します!!

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読者の方からのお便り*********************

 先生の悪口やよその子の悪口を言う人が多くて、お母さん同士で話をするのがとても嫌です。

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 懇談会に出たら、「初めての人」に声をかけてみませんか。

全体の雰囲気が今は苦手でも、行く度に一人ずつ素敵な人と知り合っていくと、ある日突然、昨日まで想像もしなかったよいことが起こります。

 小さなことを積み重ねると、幸せはある日突然やってきます。

親の愛というのは、空気みたいに見えなくて、でも、空気みたいにたくさん送り込むと子どもが活き活きする、そういうものかなあと、自分で子どもを育ててみて思いました。


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