家庭訪問で気をつけること

 4月に家庭訪問をする学校の目的はただ一つ。

家庭の様子を知って、子どもの成長を少しでもお手伝いしたい、です。どうして子どもの指導に家庭の様子を知ることが必要かというと、お父さん、お母さんと直接話すことで、子どもの本当の姿を早くつかめるからです。

例えば、

A君は、人と話すのが苦手だと思っていたが、新しい環境に慣れるのに時間が少しかかるだけで、本当はとても明るい子だ。

逆にB君は、やんちゃで落着きがないと思っていたが、これも緊張感から一時的にそうなっているだけなのだ。

という具合です。

 また、担任の先生が心配なのは、この子のお父さん、お母さんは話しやすい人かどうか、です。

話しやすい人なら、これから1年間、子どもにいろいろなことが起こった時に、すぐに相談や助言ができます。

ところが逆に、話しにくい人だと、子どものことをお知らせする時に、「こういう言い方でいいだろうか」などと、いろいろ考えて、伝えたいことを伝えられなかったりしてしまうこともあります。

 話しやすい人だと思ってもらうのに、そんなに難しい技は必要ありません。

@ 笑顔で話す。

 家庭訪問も、たった10分程度。その日にどんな嫌なことがあっても、10分間は笑顔でいましょう。

この10分間の印象は、1年間、担任の先生の心に残ります。

A 悪口を言わない。

 他の先生、他の子ども、それから自分の家族。どれを聞いても、いい感じはしません。

「今年はこうじ先生で本当によかった。昨年の○○先生といったら…」なんてことを聞かされたら、「きっと来年は次の担任に、自分のことをこんなふうに言うんだろうな」などと思えてきます。

B 学校での様子はどうですか、としつこく聞かない

 1ヶ月も経っていないのですから、担任には子どもの本当の様子はわかりません。

こういう質問をこの時期にして、すらすら担任が答えるようなら、お子さんは(よくも悪くも…特に悪い方で)よほど目立つ子だということです。

「友達と仲良くしていますか」という質問もよくされるのですが、はっきり言ってわかりません。

授業の様子なら少しはお話できますが、この忙しい時期に、休み時間の子どもの様子まで把握できるのは、神様レベルの先生です。

学校の様子をしつこく聞くよりも、担任の質問に答えて、家の様子を伝える方が、子どものためになります。

1学期が終わったくらいの時期なら、どんどん学校での様子を尋ねてください。

C 使い慣れない言葉を使わない

 普段の言葉で話さないと言い方がぎくしゃくします。

すると、上辺だけの話をしているように聞こえます。

本音で話してくれているのではない、と思うと、担任もも正直に言ってはまずいのか、などと考えます。

家であったこと、学校であったことを正直に話せる関係が、子どもの問題を早く解決するためには一番大事です。

馴れ馴れしく話せと言っているのではありません。

正直に話しているという印象を先生にもっていだきましょう。

 家庭訪問の前には、このような学級便りを出すことにしています。

貴重な10分を充実させたいからです。参考になればうれしいです。

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   家庭訪問のお願い

 来週から家庭訪問が始まります。

お忙しいところ、時間を取っていただき、本当にありがとうございます。

たった10分間で、お子さんのすべてをお話しいただくことはできないとは思いますが、よろしくお願いいたします。

 お子さんと出会ってから1カ月と少し。少しずつお子さんの様子も見えてきましたが、まだまだわからないことがたくさんです。

今回の家庭訪問では、お父さん、お母さんから、お子さんの良いところや、心配なことをお聞きすることが中心になると思います。

・お子さんは家で元気ですか。どんなことをはりきってやっていますか。

自分の身内をほめるのは、日本人の美意識に反するような気がして、普通はなかなか言えないものですが、今回は特別です。お子さんのことで最近感激したことなど思い切り話してください。

・学校と家とでは様子が違う等と、お子さんの友達から聞いたことはありませんか。

どんな場所にいても、同じ態度で生きていけるという人間はいないでしょう。

どこかでプレッシャーに耐えてくれば、別の場所での息抜きが必要です。

学校で勉強をがんばってくれば、家でさらに良い子になって勉強しろと言うのも無理な話です。

家と学校で違って当たり前です。家での様子を教えてください。

・4月になってから、変わった様子はありますか。

良くなったこと、心配していること、少しでも気づいたことがあったら教えてください。

・お子さんは勉強で苦しんでいますか。いませんか。

一番いいのは、苦しんでいる様子が見えない子です。

勉強に余裕があれば、生活も楽しいでしょう。

次にいいのは、苦しんでいる子です。

勉強を真剣にやる気になっている証拠です。

最悪なのは苦しんでいる様子が見えない子です。

勉強をやる気が全然ないからです。

一番よい子と一番まずい子の表れは同じです。

・お子さんの1日は忙しいですか。おけいこ、塾など喜んでいっていますか。

それとも苦しそうですか。

・できれば、お父さん、お母さん両方とお話したいのですが、ほとんど無理なことだと思います。

お母さんとお話することがほとんどだと思いますが、その場合はぜひ、お父さんからのメッセージももらっておいてください。

・10分たったら失礼します。ご理解ください。

 こちらからお話できることがほとんどないので、本当に申し訳ないのですが、今回伺った話は、これからの指導の大変重要な参考事項となります。

よろしくお願いします。

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 こんな学級便りに応えて、当日までにたくさんのメモを用意してくれているお父さん、お母さんがいます。

短い時間にたくさんのことが聞けて、とてもうれしく思います。

 たった10分間の親の姿勢が、お子さんをよい方向に向かわせます。


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