最高の演技力で
新学期初日、始業式から帰ってきたお子さんは、担任の先生のことをどんなふうに話しましたか。
それに対して、お父さん、お母さんは何と答えましたか。
今日は1年で最高の演技力を、お父さん、お母さんが発揮してほしい日です。
「担任の先生はどなた?…そう、よかったねえ。この先生ならお父さんもお母さんも安心だよ。お前もお前と同じクラスのみんなもラッキーだねえ。ほんとうによかったよ。」
この言葉を、お子さんが思わずにっこりとしてしまうような演技力で言えたかどうか。
これでお子さんのこれからの1年間の学校生活が決まると言っても過言ではありません。
「やさしそうな先生だったよ」
○ がんばれば、褒めてもらえるね
× いたずらっこをしっかり叱ってもらえるか心配だね
「こわそうな先生だったよ」
○ 正義の味方になってくれるね
× しかられないか心配だね
「若い先生だったよ」
○ いっしょに何でもやってくれそうだね
× 授業がちゃんとできるのかしら
「校長先生くらいの年の先生だよ」
○ 何でも知っているから安心だね
× 親も話しにくそうで大変だ
・こんなふうに、担任をほめることばをお子さんに返せましたか。
・言葉だけでなく、顔や瞳でも演技できましたか。
起こったことは全部、自分にとって幸運なことだと思えた人が、必ず成功します。
そういう心の人に育ってもらいたいといつも思います。
いろいろな先生がいます。
中には、評判を聞く限り自分の子の担任になってほしくないような先生だったり、以前、上のお子さんが教わった時にしっくりいかなかった先生だったりすることもあります。
でも、今日は絶対に、そんな気持ちはおくびにも出してはいけません。徹底的に演技してください。
担任への注文、クレーム、さらに喧嘩、どれもOKです。
ご家庭の教育方針と合わない部分は、何度でも担任と話し合い、すり合わせを行い、最もよい道を捜すべきです。
でも、絶対にお子さんにわからないようにやってください。
お子さんに今日教えなければいけないのは、「自分は、よい人と出会う幸運に恵まれているという気持ち」です。
小学生のうちにこの気持ちを心にしっかり入れることで、将来出会う貴重な人たちとのつながりを、お子さんは逃がさなくなるでしょう。
世の中には悪い人もたくさんいて、「人を見たら泥棒と思え」という言い方もありますが、これでは、自分の持つわずかな経験と財産を守るだけの小さな人生で終わります。
「幸せは人の手を介してやってくる」のです。
良い人と出会いつながることが、現在日本で生きている私たちが幸せになる方法なのです。
これから担任への不満は少なからず出てくると思います。
それは担任に知らせてください。でも、子どもにそれを知られてはいけません。