学校に行く理由
改めて、「なぜ学校に行くのか」を考えてみませんか。
お父さん、お母さんが、「子どもが学校に通う必要がある理由」をしっかり持っていると、お子さんは迷いません。
どんな子も、必ず一度や二度、学校に行きたくなくなる日が出てきます。
そんな時、お父さん、お母さんが、理由も告げず叱ったり、無暗に甘やかしたり、おろおろと困ったりすると、子どもはどうしてよいかわからなくなります。
お子さんが張り切って登校する日も、嫌々登校する日も、同じように「学校に行く理由」を常々語っていれば、お子さんは、気分が浮かない日も学校に行きます。
嫌そうな顔をして登校していったのに、元気に帰ってきた、という日も多いものです。
(話は少し横道にそれますが、嫌そうな顔をして行くというのはとても大事なよいことです。
お子さんが親の前で感情を正直に表せている証拠だからです。
心に重いものをもっているはずなのに、元気に出かけていたら、逆に要注意です。)
「なぜ学校に行くのか」という答えは、ご家庭それぞれでかまいません。
教育書など読む必要はありません。
お父さん、お母さんが心の底から本当だと思っていることを、その答えにしてください。
ちなみに、私は最近、子どもたちに、こんな風に話しています。
「大人になったら、食べていける人にならなければいけない。
無人島では、魚を捕ったり、毒草を見分けたりする力があればいい。
でも、日本では、お金を稼げなくては生きていけない。
お金を稼げるというのは、自分に喜んでお金を払ってくれる人がいるということ。
自分のしたこと、自分の作ったもので幸せになった人が、自分にお金をくれる。
だから、たくさんの人を、より深く幸せにできれば、自分もより豊かな幸せを得られる。
家で、一人ぼっちでいたのでは、いつまでたっても、人を幸せにする方法はわからないから、学校で人を幸せにするにはどうすればいいかを勉強する。」
お父さん、お母さんが自分の人生でいちばん大事にしていることを、子どもに伝える…これが教育の肝です。
改まって話す必要はありません。
お父さん、お母さんが時々、心の中で「学校に行く理由」について考えていれば、それは、大事な時に自然に、また、自分でも気づかぬうちに、お子さんに伝えているはずですから。