世界の果ての通学路
「世界の果ての通学路」という映画があります。
ケニア、モロッコ、アルゼンチン、インドの子どもが学校へ通う様子を紹介したドキュメンタリーに近い映画です。
ケニアの兄妹は、サバンナを小走りで、15km、2時間かけて学校に通います。
毎年、4,5人の子どもがゾウの襲撃によって命を落とす道です。
両親は2人が無事に学校に通えるよう、毎朝お祈りをしています。
アルゼンチン、アンデス山脈の人里離れた牧場で暮らす兄妹は、毎日18kmの道のりを馬に乗って1時間半をかけて通学します。
モロッコのアトラス山脈の中心部、辺境の地に生まれた女の子は、毎週月曜日の夜明けに起き、友達2人と一緒に22kmの道を4時間かけて歩きます。
1週間全寮制の学校で学び、金曜日の夕方、3人は同じ道を歩いて家に帰ります。
彼女は、家族のなかで初めて学校に通う世代で、字が読めない祖母や両親は、医師を目指す彼女を全力で応援しています。
インドの少年は、未熟児で生まれたため足に障害があります。
2人の弟が急ごしらえのオンボロ車椅子に彼を乗せて、1時間15分かけて4kmの道のりを3人で通学します。
ケニアの少年は、パイロットになって世界を見たいと言い、アルゼンチンの少年は、故郷に貢献できる獣医になることを目指しています。
モロッコの少女は、自分よりも奥地に住んでいて学校に行くのをあきらめている子どもたちに、学校の素晴らしさを説いて回っているそうです。
インドの少年は、自分と同じような障害をもつ子供を助けるために医者を目指しています。
誰もみな、学校へ通うことが自分の夢を叶える道だと、瞳を輝かせて話します。
この映画を観て、いちばん深く思ったのは、私たち今の日本人が、本当に恵まれた生活をしているということです。
御覧になったら、早くも最初の場面で、それを感じていただけると思います。
私が見に行った時は、午後1時からの上映でしたが、子供連れの親子4人が、ピクニックのように楽しそうに手作りのお弁当を食べながら、ロビーで上映を待っていました。
素敵な家族だなあと思いました。
ロビーでお弁当を食べさせてくれる、この映画館も素敵です。(静岡サールナートホールシネギャラリーという劇場です。)
もし、日本中の小学生が見て、その2割が心から感動してくれたら、五十年後の日本は、素晴らしい国になっていると思います。
ぜひ、ご覧ください。
エンドロールで「インドの弟たちは、車いすの直し方を覚えました」というナレーションが出てきた時、思わず涙が流れました。
読者の方から**********************
昨日、息子と同じ4年生の従妹も誘って「世界の果ての通学路」を観てきました。
素晴らしい映画を紹介してくださって本当にありがとうございました。
エンドロールは、ハンカチが必要でした。
学びたい子供が学校へ行けるようになってほしいと強く思いました。
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観に行っていただき、ありがとうございます。
この映画に出てくる、子どもの安全の心配をするお父さん、お母さんの姿も、本当に素敵ですね。