垂直と平行

 4〜5月に家庭訪問がありました。

 この時期に、「うちの子は、学校ではどうでしょうか」と、担任の先生に聞くのは無謀です。

この時期では、担任は、まだまだ時間が足りなくて、子ども一人一人のことを深く理解はできていません。

 もし「うちの子は…」と質問して、あふれるほど担任の口からお子さんの様子が出てきたら、よほど目立つ子だということです。良い意味で目立っているのか、そうでないのかは微妙な所です。

 では、担任の先生からは何も教えてもらえないか、というと、そうではありません。

 担任は、○年生はこんなことができるようになります、といった平均的な子どもの姿をよく知っています。

子どもを水平面で見るのが得意なのです。

ですから、特に、初めてのお子さんの場合は、担任の先生のそういう話に耳を傾けると、役立つ情報が得られます。

 逆に、お父さん、お母さんは、お子さんを垂直方向にずっと見守ってきています。

ですから、「うちの子は、こんなふうに育ってきました」という話を、担任の先生にすると、担任にとって「垂直」な見方はこれから1年の指導に生かせる大事な情報なので、先生は大喜びです。

 子どもの平行面だけ見ていると、「もう○年生なのに、こんなこともできない…」などと焦りを生み、子どもに無駄なプレッシャーを与えます。

 かといって、垂直面だけを見て、平行面の情報を知らないと、「がんばりどころ」のタイミングを見失います。

 「顕微鏡と望遠鏡」の見方同様、二つの違った見方をバランス良く持っていることが、子育てでは大事です。

そのためには、一人でがんばるのではなく、子どもを取り巻く大人みんなで手をつないで子どもを育てようとすることが大事です。

読者の方からのお便り************

教歴の長い先生でないと分からない、親とは違う垂直な見方もありますね。

今こんなことを教えると、将来どんな形になって現れるか…親には見えにくいこともあります。

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 先のことを知っておくのは、心にゆとりがでますね。

 先生でなくとも、「親としての先輩」が身の回りにいれば、「子育ての先」が見えるようになります。

親が積極的に、違う世代の人と積極的に交流すると、そういう「先輩」がたくさんできます。


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