同じ時間で何倍も勉強できる方法

 4年生も三月、算数の授業の時間に子どもたちに話したことです。

******************************************************

 「まとめのプリント」が終わった後、みんなは何をしていましたか。

 A君とB君は、計算ドリルのわり算のページをやっていますね。

CさんとDさんは、自分で問題を作って、帯分数を仮分数にしたり、仮分数を帯分数にしたりする練習をしています。

E君は、直方体の見取り図をたくさん描きましたね。

昨日に比べて、速く描け、形もとても良くなっています。

 他のみんなも、45分間を全部自分のために使えるようになりました。

5年生になっても、この調子で、自分のことを考えて授業時間を過ごせば、力はぐんぐん伸びるはずです。

 では、同じ時間を使いながら、今の何倍も勉強ができるようになる方法を教えます。

 CさんとDさんは、机を移動して、隣りに座ってみましょう。

互いにノートに3問ずつ問題を書いてもらって、どちらが相手の問題を速く解けるか競争してごらんなさい。

 A君とB君も、席を隣りに移して同じページを「よういどん」でやってみましょう。

 一人でやる時より、どきどきするでしょう。

 このちょっとどぎどきするのが大事です。どきどきするのは心臓が速く動いているということです。

心臓が速く動くと、その分、脳に新しい血が送られます。

 すると脳は、いつもより活発に動きます。するとどんどん頭がよくなります。

 でも、心臓の動きが速すぎると、血が頭にあふれて脳が溺れてしまうので、ちょっとだけどきどきするのがこつです。

 E君は、自分でできるようになった見取り図の描き方のこつを、まだうまく描けないF君に教えてあげてください。

人に教えるのが時間の無駄だと思っている人がいますが、実は、これがいちばんよい勉強方法です。

もし、教えた相手がわからなければ、違う方法で教えようと思うでしょう。

それでもだめなら、三つ目の方法を考えるでしょう。

 一つの問題から出てくる答えは一つでも、答えにたどり着く道がたくさんできあがります。

(この説明を図に描いたものを見て)これは、何かに似ていますね。

そうです。この前、話をしたアインシュタインの脳のようです。

 脳の部屋を増やすだけでなく、部屋と部屋をつなぐ廊下を増やすのも、頭をよくする方法でしたね。

では、残りの時間も充実させてください。

******************************************************

 「わくわくする」「人の幸せのためにがんばる」どちらも一人ではなかなかできません。

 一人でじっと集中して考える時間も大事ですが、一人で充実した時間を過ごす力が十分に育っていない時期には、誰かといっしょにやるのは、とても効率のよい方法です。

 「宿題やったの?」よりも、「私に勝てる?」や「これ、わからないから教えて」の方が、お子さんの力を伸ばすのに役立つことは多いと思います。

 「わくわくする」「人の幸せのためにがんばる」

 脳科学の本にも、ビジネスの成功本にも、聖書やお経にも、この二つが大事だと書いてあります。

ずっと昔から人間が気づいていて、最新の科学でも証明された大事なことのようです。


 『速効よい子』へ戻る   ホームページ『季節の小箱』へ戻る