1伸びる 100伸びる
私の勤めている町では、今年も秋に、すべての学校の6年生全員が集って、陸上競技記録会が行われます。
市内の小学生の体力向上が目的のようですが、本気で子どもの体力を向上させるつもりなら、陸上競技ではなく、テレビの「さすけ、くのいち」のような競技を考案する必要があると思います。
それは、ともかく、この大会のために、どの学校でも6年生は陸上練習を全員でします。
夏休みが終わって早々、練習を始めました。
短い時間で効率よく練習を重ねるには、一人一人が一つ一つの練習について、その目的を理解し、丁寧に集中して練習することが必要です。
第1回の練習では、それぞれの練習が各競技の中のどの部分を強化するために役立つのか、また、それぞれの練習をする時に気を付けるポイントなどを書いたプリントを渡し、説明しました。
第1回目の練習は金曜日。
3日後の月曜日、第2回目の練習の最初に、この3日間について子どもたちに訊いてみました。
この3日間で、プリントを読み直してみた子は、約3分の2、いました。
また、プリントを見ながら、金曜日の練習で覚えたことを少しでも家で繰り返した子は、約4分の1いました。
そこで、子どもたちには、こんなことを話しました。
「陸上の練習を、とにかくやれば、必ず力は伸びます。
しかし、1伸びる子と、100伸びる子に分かれます。
その違いは、まず、一つ一つの練習の目的をしっかりと理解して取り組めるかどうか、です。
この3日間で、プリントに目を通し、それぞれの練習について目的を頭に入れてきた人は、100伸びる可能性があります。
また、もう一つの違いは、一つ一つの練習に自分の目標を持って取り組むかどうか、です。この3日間、金曜日の練習を、もう一度自分でやってみて、次の全体練習の時には、自分はこんなことに気を付けてやってみよう、と思った人は、100伸びる可能性が、さらに高くなります。」
同じことをしても、大きく伸びる人とそうでもない人、大成功する人とそうでもない人がいるのは、「準備」と「丁寧さ」の違いだと、この話をまとめました。