家庭学習の時間
保護者会で話したことです。
中学生の家庭学習の時間は、学年プラス1時間、などと言われることがあります。
中学2年なら2たす1で3時間、毎日、家で勉強しましょう、という意味です。
この計算で行くと、小学校6年生は、1時間が推奨時間ということになります。
家で勉強する習慣が、なかなか身につかない子にとっては、こんなふうに何時間と数字で示すことは有効かもしれません。
しかし、本当に必要なものが、3時間とか60分の数字であると勘違いしてしまうと、大変なことになります。
「この子は60分勉強をしていたから安心」と親が思ったり、「今日は1時間以上やったから、自分はたくさん勉強した」と子ども本人が思ったりしたのでは、それ以上の学力の伸びは期待できません。
大事にしなくてはいけないのは、勉強している間の密度です。
密度を計るには、いろいろな方法があるでしょうが、いちばん簡単にわかるのは「落着いてできたか」を見ることです。
親から見て「勉強している間、落ち着いていたなあ」と見えれば、それで合格です。
小学生が自分の部屋で閉じこもって勉強していては、親がその様子を見ることができないので、ダイニングやリビングで勉強させることをお勧めします。
何らかの理由で、勉強している様子を見ることができない時は、ノートを見ると、落ち着きの様子がわかります。
私の学級にも、本当に宿題のノートがきれいな子が何人もいて、それを見るだけで、その子の家庭学習の充実度がわかります。
60分、気が抜けた状態で勉強するよりも、30分落ち着いて集中した勉強をした方が、力は伸びます。
「1時間以上、勉強したの」と子どもに訊けば、「したよ」と答えるでしょう。
大事なのは、口を出さなくてもいいから、様子を見てやることです。
子育ては、口と手でするのではなく、目と耳と背中でするものです。