家族を大事にしている子は勉強ができるようになる

      大事な勉強、大事な家族

 続けるという行為は、どんなことでも重要だということは誰もがわかっていますが、大人でもなかなか思うようにはいかないものです。

 私は、計算ドリルを、力を定着させるための副教材に使っています。

4年生以上は、同じページを3回ずつやることを宿題にし、いつ、どこをやってもよいことにして、やってきたページを私の持っている名簿に記録していきます。

 ドリルは年間3冊あり、1冊目は4月から夏休みが終わるまで、2冊目は9月から冬休みが終わるまで、3冊目は1月から春休み前までに終わるように言ってあります。

 6年生は年に3回のチェックだけをしますが、4年生は、それでは難しいので、毎週月曜日に、5ページ分進んだかをチェックします。

 低学年では、毎日、チェックしてやるのがよいと思います。

 年齢によって、「自由な期間」を調整することによって、自主性も育ちます。

 さて、同じ年齢の子でも、その表れは様々です。

 毎日こつこつと続けて(土日も含めて毎日1ページずつやると1週間に7ページになるので)、チェックの日には余裕を持って、決められた以上の多くのページが終わっている子。

チェックの日の前日にあわてて、ぎりぎりで間に合わせる子。

チェックの日に間に合わないで、休み時間にやらざるを得ない子。

 また、やっている内容も様々です。

 ノートにきちんと日付を入れ、毎回時間を計りながらていねいにやっている子。

この子たちは、私の教えたドリルの使い方(授業でやった日に1回目、2回目は1〜2日後に、3回目は1週間後に)にしたがって力をつけています。

 一方、あちこちを自由気ままにやって、どこを何回やったかわからなくなり、それほど繰り返さなくても力のつくページを5回も6回も気づかずにやっている子もいます。

5回、6回とやることそのものは悪くないのですが、チェックの日に、ただ間に合わせるためだけに簡単にできるページを5回も6回も繰り返している場合もあって、それは時間の無駄です。

 また、とにかく早く終わらせようと、同じページを一気に3回やってしまう子もいます。

このタイプの多くは、やる日とやらない日にむらがあることが多いようです。

当然のことながら、機械のように同じことを同じ日に続けて3回繰り返しても、3回分の実力が身につくことはありません。

(「1回目に間違いが多かったから、続けてもう一度やってみよう」という明確な意図がある場合は、続けて同じことをやっても効果があります。)

 こうして見ていくと、同じ量の勉強をしても、実力に差がつくのは明らかです。

 本当に実力が身につくのは、きちんと計画的に続けられた子です。

 このように自分で考え、自分で調整し、こつこつと続けていく子の計算ノートは、たいへんきれいで、とても大事に扱われています。

親から買ってもらったものを大事に使うことと、勉強することを大事に思うということは、こんなところでも結びついています。

 きれいなノートは自分で何度も見返したくなるので、それだけでも復習になります。

 勉強で力を伸ばすことと家族を大事にし家族から大事にされていることは、確実につながりのあることです。

きれいに使っているノートを見つけたら、「大事に使ってくれてありがとう」と言うだけで、力が伸びる可能性があります。


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