計算ドリルの答えは写してよいか

 「計算ドリルの答えを写してきてよいか」と子どもたちに質問し、話し合わせました。

 4分の3の子が「頭が悪くなるからだめ」、4分の1の子が「頭が悪くなるけど、それは自分の自由だから勝手にすればいい」と答えました。

全く反対の意見のようですが、全員「答えを写すのは、悪いことだ」という共通の認識を持っています。

 でも、本当に答えを写すのは悪いことでしょうか。

 計算ドリルの宿題が出ているのに、答えがわからないまま宿題をやり切れない、という場合は、どうすればいいでしょう。

解けなければ教科書を読み直せと言われたりしますが、それでも解けないということもあり得ます。

 私は、高校1年生の時には、もう数学が全然だめで、夏休みの宿題に出た問題集を全部解くことができませんでした。

9月になって、数学の先生に、解けないと言うと、あと1か月待つから最後までやりなさい、と言われました。

それでも解けない問題がたくさん残り、結局、融けなかった問題は答えを綺麗に写すことで許されました。

 その時、答えを写すことで、その解法や、その問題に隠れている重要なことを少しだけですが理解することができました。

 小学生も、どうしても解けない問題は、答えを写してみるのも良いと思います。

 「答えを写す」という行為自体に良し悪しはなく、それをすることで自分がどうなりたいか、という気持ちが大事です。

締切に間に合わせるためだけに答えを写す子は伸びませんが、できるようになりたいと心から願って答えを写し、自分に力をつけようと頑張る子は伸びていきます。

何も考えず、闇雲に問題を解いて3回分を提出する子より、力は付きます。

 1回目に、どうしても解けなければ、答えを写しながら解法を考えてみる。

 少し時間を空けて、もう一度解いてみる。

 その時、わからなくなっている部分があれば、その部分の解答欄を見て、もう一度、解き方を考える。

 3回目でも、まだ、すらすらと解けなければ、宿題は「3回」でも、自分は4回目もやってみる。

 こんなふうに、自分で「できるようになった」と感じるまで、がんばり続ける子が、力を伸ばします。

 今の私のクラスには、同じページがわかるまで、5回も6回も繰り返しやっている子が、一人います。


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