答えを写す
夏休みの宿題に、問題集を1冊、渡してあります。
答えもつけてあります。自分で答え合わせをさせ、間違いを自分で直す習慣を持たせるのが目的ですが、答えが手元にあるということは、問題を解かなくても写せてしまうということにもなります。
問題を解かずに写すことは悪いことだというのが一般的な考え方ですが、私は100パーセント悪いことだとは思いません。
「その時点」で問題が解けないということは、よくあります。
例えば、授業で、全員が問題を解けるまで待つということは、多くありません。
そんなことをしていたら、年間計画の十分の一も授業は進まないでしょう。
課題が出され、ある程度の時間が経ったら、解答に自信を持っている子、持っていない子、解答そのものを持っていない子が混ざって、話し合ったり教え合ったりするのが、普通の授業です。
ですから、夏休みの宿題で、その問題が解けないこともあるのは当然で、解けるまで何日間費やしても、自力で解けないことも少なくないと思います。
一緒に考えたり導いてくれる人がいなければ、答えを写して、「その時点」では解けなかった問題を、もう一度出会った時に解けるようにしておく方が、よい勉強方法だと思えます。
とはいえ、人間はサボるようにできている(楽をしたくて工夫をする)ので、放っておくと、子どもは、「ノルマをこなす」ことを目的にして、答えを写すことも多いでしょう。
ですから、答えを写す時は、大人が近くにいて、答えを写す意義を、きちんと理解させることが必要です。
せっぱつまった時期になって答えを写し始めると、目的がノルマをこなすためだけになってしまいがちです。
解くにせよ、写すにせよ、できるだけ早く宿題を始めることが大事です。仕事も同じですね。