「好き」か「日常」は最高の武器
5年生の宿題、漢字書き取りでは、毎日、きちんと続けていると、学校行事とか、先生の出張で先生が検閲しない日などの分が余ってきます。
提出は、平日分だけなので、もし、土曜、日曜などに余分に書いたものも余りが出てきます。
その分は「貯金」として貯まっていきます。
例えば、月曜日の夜、書き取りをやって火曜日の朝、提出するつもりで学校に来たら、先生が休んでいたという場合、それをそのまま、水曜日の朝、もう一度提出すると、水曜日提出分として、先生が日付を入れます。
しかし、火曜日の夜も、真面目にやった子は、水曜日の朝、2ページ分を出すことになります。
先生は、その2ページがしっかり書かれているかチェックしますが、日付は1ページに水曜日の日を書き、最も新しいページは日付なしになります。
水曜日の夜も漢字の練習をすれば、木曜日の朝、先生は、昨夜書いたページの字がしっかり書かれているかをチェックし、木曜日の日付は、その前のページに書かれます。
その後も毎日書き取りを1ページずつやれば、最新のページは日付なしという状態がしばらく続きます。
もし、体調が悪くて、書き取りができなかった日は、貯金として日付の入っていない最新ページをそのまま出せば、宿題忘れにはなりません。
と、こんなふうに進めていくと、毎月、貯金がどんどん貯まっていく子が何人も出てきます。
中には、親から「土日も書きなさい」と強制されている子もいますが、多くの子は、字を書くのが好きになって、ついうっかり、1日2ページ書いたりしてしまうのです。
うれしくなる理由は、主に、字が上手くなったという自覚です。
5、6年生になっても平仮名を徹底的に綺麗に書かせる意味はここにあります。
もし、先生が、毎日漢字テストをやれば、「書き取りのおかげで漢字テストの点数が上がった」という喜びを持って、2ページを進んでやるかもしれません。
3月に学校へ来る日は14日間。すなわち、14ページ分の書き取りの宿題があるということです。
2月末に調べたところ、昨年のクラスは、3分の1の子が、14ページ以上の貯金を持っていました。
ということは、その子たちは、3月は全く書き取りの宿題をやらなくても、その貯金を提出しさえすればよいわけです。
10人以上、たくさんの貯金を持っていた子がいましたが、3月になって、書くのをやめて貯金で暮らした子は、その中の2人だけでした。
後の子は、(中には書き取りノート1冊以上の貯金があるのに)毎日書いてきました。
この子たちは、書き取りをすることが「好きに」なったか、「日常」になったかのどちらかです。
勉強が好きになったり、日常になったりした子は、これから先、全く心配はいりません。
さらに、この年代で身につけた字形は、一生、体から離れることもありません。
残念ながら、「貯金」ではなく「借金」を残して春休みを迎えた子もいます。
この違いは、どこから来たかは、わかっています。
4月に宿題が提示された時に、宿題だから、仕方ない、やるしかない、と思った素直な心や、絶対宿題は忘れないと思った強い心を、それまでに、親からもらっていたかどうかの違いです。
お子さんに、素直な心か、強い心をプレゼントしておいてください。