社長のメンタルで、する
6年生に、1年間言い続けたことの中に、「社長のメンタルで行動しなさい」ということがあります。
「夢を叶える授業」を総合的な学習でやっていたので、職業にからめて「社長」という言葉を使っていますが、場合によっては、「リーダー」「監督」「総理大臣」などに変えてもよいと思います。
一人の人間が一度にできることはわずかですし、そのことに集中しなければいけませんが、そうしながらも、いつでも全体を見る広い視野を持っていることが大事だということです。
具体的に子どもたちに示した例としては、まず、掃除です。
学校では、毎日15分程度の掃除の時間があります。掃除の時間が来たら掃除を始め、終わる時刻が来たら終わる。
まじめに掃除に取り組んでいると、小学校では褒められますが、これは、「社員の視点」です。
社長の視点で考えると、自分の担当している掃除場所が、いつでも綺麗になっているかを見ていることが大事になります。
また、15分で一通りのことをしても、抜本的な解決にならないこともあるので、今日の15分は何を重点的に作業をするかを考えるのも、社長の視点です。
掃除以外の事でも、社長の視点は大事になります。
例えば、テスト直し。
ほとんどの先生は、こんなことはしないと思いますが、私はテストをする時、早くできた子は、その場で採点してしまいます。
・早くできた子の時間が有効に使われる
・目の前で採点するので、子どもが納得する
・子どもも一緒に確かめながら採点するので、こちらの採点ミスがなくなる
・間違えた所は、すぐにテスト直しをして、その時間内にできていないことを習得できる
・放課後、採点のための特別な時間をとらなくていい
などのメリットがあるからです。
テスト直しの様子を見ていると、様々です。
A.友達の答えを、ただ写している子
B.友達に教わっている子
C.教科書を読み返している子
この場合、Aは社員のメンタルです。
早くこの作業を終えて、「自由」になりたいと思っています。
Cは、社長のメンタルです。二度と同じミスがないように、次に備えて万全の準備をしたいと考えているからです。
Bは、気持ち次第で、どちらにもなります。
掃除、テスト直し以外でも、様々な活動、学習の場で、「社長のメンタルで、やりなさい」は、意味を持った言葉になりました。
多くの事を貫けるキーワードが見つかると、親(教師)も子どもも、迷いが少なくなります。
出来得る限りシンプルに、が、子育て(教育)のこつの一つかもしれません。