ゆっくり時間をかける
3年生に、毎日、漢字書き取りの宿題を出しています。
提出させたノートは、平仮名をチェックして、くせのついている字をひとつだけ直します。
子どもたちは、直されている字を、次の日の1ページの中に必ず1行書いてくるという決まりです。
直す平仮名がない時は、花丸です。
採点は厳しいので、12月くらいまでは、花丸をもらえる子は、1日に0〜2人ほど。
それも、ほぼ同じ子。
9ヶ月間に花丸をもらった子は、31人中5人もいませんでした。
ところが、1月になって、突然花丸の数が、急激に増えました。
何かが起こったのかといろいろ考えたのですが、特に何もなくて、これは、9ヶ月間我慢して書き続けた子どもたちの力だという結論に達しました。
宿題はいつやってもいいことになっているので、給食を早く食べ終わった子や、帰りの支度が早く終わった子の中には、家に帰ってからの遊び時間を増やそうと、教室でせっせと書き取りに励んでいる子がいます。
その様子を見ていると、どの子も、私の指示通り、ゆっくりと一文字一文字をていねいに書いています。
宿題はノート1ページですが、1ページの文字数は自分の好きなものを選んでいます。
1ページの文字数が100文字近いノートの子もいれば、50字以下の子もいます。
重要なのは、1日何文字書くかということではなく、最後の一文字まで集中して書けるかということだと思うので、自分に合ったノートを選びなさいと言っています。
また、最近気づいたのですが、昔、たくさん書かせていた頃より、ゆっくり書くことを徹底させ始めてからの方が、漢字の間違いが少なくなっているようです。
集中しているのなら、たくさん書くに越したことはありませんが、集中力を失くした時に書いている字は、無駄どころか、マイナスになります。1歩進んで2歩下がる感じです。
人生、短いと思うと、できるだけ急いでたくさんのことをしたほうが幸せになるような気がします。
でも、もしかしたら、できることは少なくても、目の前のことにじっくり取り組み、それを少しずつ積み上げていく方が、豊かで充実した人生を送れるのではないかと、最近思うようになりました。