チャンスは突然
台風の接近に伴い、全市一斉休校となりました。
お昼前には、青空が顔を出し、子どもたちには、思わぬ楽しい休日になったようです。
休校は、前日のうちに決まったので、「明日、自分がやろうと思う勉強を予定帳に書いて見せなさい」と言いました。
「漢字博士の準備、昔調べの発表の準備、落語の台本を変える、ドレミ読みの練習、…」と、すぐにたくさん書いて持ってくる子もいれば、なかなか持ってこない子もいます。
早く持ってきた子は、毎日予定帳をしっかり書いている子です。
予定帳を自分で工夫して書いている子は、「今日は何をしたから、明日はこれをすればいいだろう」と毎日考えています。
彼らは、予定帳を書くことによって、自然に予習、復習をし、自分がどのようなことを、どのように学習しているかがわかっているのです。
ですから、こうして、何もしなくていい1日が突然現れた時、自分のしたいこと、するべきことがすぐに頭に浮かびます。
残念ながら、「書き取り」としか書けない子もいました。
普通の4年生としては仕方がありませんが、ぜひ、この子たちにも、中学生になった時には、自分の予定帳を書けるようになっていてほしいと思います。
脳に関する本を読むと、アイデアとか、ひらめきというものも、同じメカニズムで起こると書いてあります。
毎日、毎日、考え続けると、ある時、突然、アイデアがとび出すといいます。ニュートンは林檎が落ちるのを見て引力を発見したのではなく、それまでに考えに考え抜いて、ある日林檎を目にした時、それまでの考えのすべてが、一瞬でつながって、引力を説明するアイデアに熟しました。これがひらめきだそうです。
ある日、突然、台風がプレゼントしてくれた休日。
「やった〜、休みだ」と、どの子も喜びました。
でも、それだけで終わってしまう子と、その後、自分のしたいことが次々に頭の中を駆け巡る子では、未来は変わってきます。
頭の中に「今の自分が楽しくて、未来の自分が喜ぶこと」がたくさん出てきた子は、充実した1日を送れるでしょう。
私の学級では、その力を高めるために、予定帳を使っています。