予定帳に書かれていること
予定帳の解説です。
まず、この予定帳は、子どもたちが家で書いているものです。
学校でこれだけのことを書く時間は、多分、日本中どこの学校にもありません。
予定係が、予定黒板に翌日の教科と、最低限必要なことを書きます。
一人ひとりが予定を書く時間は設けていません。
ほとんどの子が、給食の片付けと昼休みの間に、簡単に教科だけをメモして帰宅します。
翌朝、宿題として書いたものを私のところに提出します。
休み時間に丸をつけて、昼までに子どもに返します。
丸の種類は、このようになっています。
Aさんの4月7日8日をご覧ください。
ここには花丸と二重丸をつけていますが、本来は、この内容で、丸が一つだけです。
4年生初日でしたので、勢いをつけるための、いわば「ご祝儀」をあげました。
Aさんの5月は、三十丸になっていますが、ここもまだご祝儀で、本当は二重丸の内容です。
音楽では、歌う曲と共に「リズムを合わせてうたうぞ」と書いてあります。
教材名と「やる気」が書いてあると二重丸です。
続いて6月をご覧ください。これが三十丸の内容です。
Aさんは字がていねいで、そのていねいさがお手本になるので花丸にしました。
体育では、運動会の練習、という内容に「バトンパスの仕方に気をつけてリレーをする」という授業の内容と明確な自分の目標が書かれています。
10月9日のAさんの1時間目には感心しました。
この花丸は、その日に子どもたちに公開しました。
終業式の欄には、ほとんどの子が、「校長先生の話をしっかり聞こう」というようなことを書いています。もちろん、これは三十丸。
ていねいに書いてあれば、花丸ももらえます。
でも、Aさんのものは違います。
「前期は私発表することをがんばったよ。
4月に比べて1日にする回数が増えました。
自分の目標がとげて(とげられて)よかった。
今度は「○○ちゃん」というのを直す」
Aさんは、前期が終わるので、終業式には半年を振り返ろうと考えたのです。
Aさんの時間的視野の広がりに感心します。
これらの予定帳は、どれも授業を受ける上で大事なことがしっかり書かれています。
以前にも書きましたが、Aさんのものは、しっかり書かれている上に簡潔です。
そこが特に素晴らしいと思います。
今回は、Aさんの半年の変化を見てもらえるのも、お役に立てると思います。
今の学年は2学級で、私は昨年からの持ち上がり。
クラス替えをしたので、半分の子が2年連続の担任、後の半分は隣りのクラスから来た子です。
昨年から私のクラスだった子は、予定帳を書くこつがわかっていましたが、隣りのクラスから来たAさんは、4月の最初そのこつがわからず、とてもあせったようです。
そこで友達のものを見せてもらったり、お母さんから助言をしてもらい、花丸をなんとかとろうとしました。
そのがんばりが、Aさん独特の素晴らしい予定帳を生んだのだと思います。
さて、他の子のものもご覧ください。
Eさんは、2年連続で予定帳の宿題をやっています。
1年前からの進歩がよくわかります。3年生でこのくらい書けていれば素晴らしいと思います。
卒業間近の6年生はやはりそれなりの実力を見せてくれています。
楽しんで書いているのがわかります。
Hさんは、予定専門のノートではなく、普通のノートに大事に書いてくれています。
楽しんでいるといえば、Bさんの「24れんぱつ」。
これは、花丸を連続24日間もらったという意味です。イラストの女の子がうれしそうです。
花丸を取れる子は今の所ほとんど女子ですが、この中に一人だけ男子が入っています。
どれが男子のものかおわかりでしょうか。
このコピーの子たちは、みんなクラスの中でもよくがんばっている子たちです。
まだ、すべての子がこんなふうに書けるわけではありません。こんなふうに書く子もいるのだ、くらいの感じで、お子さんのやる気に合わせてアドバイスしてあげてください。
Aさんのイラストより実物の私の方が少し足が長いです。
頭の大きさはこのくらいかもしれませんが。
たくさんの方に、予定帳に興味を持っていただきました。
いただいた感想です。
○ぎっしりつまった予定帳にそれぞれの思いが感じられました。
○一瞬「!!!これが子供の予定帳?」寒けというか鋭い刃で胸を刺された感じを受けました。
子供たちの素直で前向きで自己の不足している事を他人から学ぼうという向上心があってなんとも自分自身が恥ずかしくなりました。
私なりの予定帳を作成したいと思いました。
○自分で明日の目標を立てられるのは素晴らしいですね。
○明日の時間割に、自分の目標を書き込んであるのでしょうか。
毎日、先生が点検なさるんですか。
花丸がありました。
私もきちんと書くことをしたほうが良いんだろうなぁと思いつつ、私の場合、何を書くのが良いのだろう?と悩んでいます。
○中を拝見してビックリ!こんな予定帳があったんですね。想像もしませんでした。
※ コピーをご希望の方にみせてもいいという許可を子どもたちからもらっていますので、ご希望の方には郵送いたします。メールでご連絡ください。