言葉にできない
「言葉にできない」は、私の一番好きなアーティスト、オフコースの歌のタイトルです。
言葉にできない思いというのは、たくさんあるでしょうが、勉強に関しては、言葉にすることが重要です。
算数の授業でそのことに気づいたので、少しお話します。
12×5 6×5 30
--------- = ---------- = --------
7×18 7×9 63
ちょっと見にくいですが、分数のかけ算だと思ってください。
Aさんは、ぺけをもらって、しばらく後に、直してきました。
10
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21
正解です。
「何を間違えたの」と聞きました。すると、彼女は「計算ミスです」と言いました。
「どんな計算ミスなの」と聞くと、黙ってしまいました。
友達に相談してくるように言うと、しばらくして戻ってきました。「約分を忘れました」と言いました。
「君は途中で約分しているよ。なぜ違ったのかな」と言うと、また黙ってしまいます。友達に聞きに行っておいでと言うと、また友達の所に行きましたが、今度はなかなか戻ってきません。
そこで、教えることにしました。
「君は、途中で約分するというやり方をちゃんとわかってやっています。でも、一度約分しただけで安心してしまったんだよ。」「あっ、そうか」とわかったようです。
彼女は算数が苦手です。一所懸命やるのですが力もなかなか伸びません。
私がもっと早く気づいてやればよかったのですが、彼女はこれまで、間違えた問題をやり直す時に、何故間違えたのかを、しっかり自分の言葉で言えていなかったのだと思います。
確かに計算ミスには違いないのですが、どんなミスなのかを詳しく的確に言葉にしておかなければ、次につながりません。
お子さんは、いろいろなことをしっかり言葉で表せていますか。
「言葉で表すことが普通」の家庭になっていますか。
これはかなり重要なことだと、今回思い知りました。