間違いを削除しない
読者の方からのお便り**************************
長女も二女も「間違いノート」というものを作っています。
テストや問題集などで自分が間違った問題や分からなかった問題のみをまとめたノートです。
ノートを縦半分に折り 左側に問題と自分が間違えた解答を書きます。
右側には正解答と解説。自分がなぜ間違えたのか、またどこが分からなかったのかを書いておきます。
そうすると後から見直したときに自分がどこが弱いのか、間違いやすいのかが分かります。
自分だけの弱点克服ノートになります!
間違いノートは時間をあけて見直し再度問題を解くことで意味のあるノートになります。
人はどうしても忘れますから、なんどもインプット アウトプットすることで定着していくのだと思います。
社会などは、資料や年表などもコピーして貼ってました。模試などの後、作ると効果的です。
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世界でただ一つの自分専用の参考書ですね。素晴らしいアイデアです。
算数の授業で練習問題に取り組む時、一人一人、できた順に私のところに持ってきます。
できていたら〇をつけますが、違っていたら、違っていると私が言います。
この子たちを受け持ったばかりの4月には、違うと言われた子は、席に戻るとすぐさま消しゴムで自分の書いたものを消していました。どこが違っているかを全く検討せずに、すぐに消してしまったのです。
間違えるのは恥ずかしいこと、〇をもらえる答えを書くことが勉強すること…と考えていたようです。
そこで、すぐに、消すことをやめさせ、間違えたとしても自分の書いたものは、そのまま残すように言いました。
テスト直しをさせる時も、誤答はそのまま残させます。
お便りをくれたお母さんのおっしゃるように、自分が何を間違えたかがわかることが、力を伸ばす大事な方法の一つだからです。
間違えたものは、そのまま残し、どこを間違えたのかを考えたり、全く違うアイデアで問題を解いた時との違いがわかるようにしなさいと指示しました。
「ノートに落書き」は、普通は叱られますが、落書きしたい子は、ここで力を発揮します。
これは間違いである、と色を使って書いておいたり、自分のキャラクターの漫画を登場させて、間違いを解説させたり、「2度と間違えないでね」と台詞を書いたりします。
こうすることで、後でノートを見たくなり、見たくなったノートには「間違える方法」が書いてあるので、2度と間違えないようになります。
また、一口に間違いと言っても、一応、答えまで辿り着いたのですから、途中のどこかで迷子になっただけです。
そこまでは正しい解き方をしているのですから、間違いだったと思われる記述を残しておいても、恥ずかしいなんてことはありません。
場合によっては、その間違いから、模範解答とは別の解き方にたどり着くこともあるわけですから、間違いノートは宝の山なのです。
山の頂上に上る時、エレベーターで昇ったのでは、頂上の景色しかわかりません。
でも、迷子になりながら、自分の足で上った人は、頂上に着くまでにいろいろな体験をして、いろいろなノウハウを身に着けていきます。
間違いノートは、そうやって登った証です。
間違いを削除してしまったら、せっかく苦労して登ったのに、途中の山道の記憶は薄れてしまいます。
とてももったいないことです。