算数のノートを未来の自分へのプレゼントにする
算数の不得手な子の中に、ノートの使い方に、もう一工夫ほしいと思える子がいます。
一つめは、筆算です。
式と答えを書く場所はしっかりあるのに、途中の筆算を書く場所がなくて、ノートの隅の方にごちゃごちゃと書いている子が、けっこう多くいます。
ノートの紙の節約だと思っている子もいるのかもしれませんが、これは、逆にもったいないことです。
もし、その問題の答が違った時に、筆算をしっかり振り返ることができるようにしてあれば、単純なミスを見つけられ、時間の節約になるかもしれません。
ミスの場所を発見して次に生かすことは、とても大事なことです。
二つめは、問題を解く道筋の解説です。
算数では、問題を解けるかどうかにばかり目が行きがちですが、解けるかどうかよりも、その問題を解いた道筋を、次に生かせるかどうかの方が重要です。
そのためには、それがどんな順序で解かれたかを、できるだけくわしくノートに残した方がよいでしょう。
特に、「間違えた問題」「わからなくて先生や友達に解き方を教わった問題」は、必ずその解答への道筋を、図と文で、ノートに自分で解説しておく必要があります。
正解した問題でも、解くのに手こずったり時間がかかったりした問題は「自分の解説」を残しておく方がよいでしょう。後でノートを見直すこともあるでしょうし、見直さなくても、書くことで頭の中に道筋を整理しておくことができます。
黒板に書かれたものをノートにきれいに写すだけでは、そのノートはほとんど役に立ちません。
子ども達には「ノートは未来の自分へのプレゼント」だと言っています。
そういう気持ちでノートを「作る」ことができるようになった子は、あとあと、力の伸びは加速度的になっていくでしょう。
とはいえ、教室での悩みは、ノートを作る時間を充分に生み出すことができないことです。
もし家で余裕があったら、お子さんの算数のノートを見てください。
自分にプレゼントするようにていねいに書かれていたり、考えの道筋が(できれば自分の言葉で)書かれているのを発見したら、いつも以上にほめてやってください。
ほめられた喜びは、お子さんの心の中で、ノート作りに燃える炎の燃料になります。
燃える心は、時間さえ生み出してしまいます。