それは「うっかりミス」か

 私は、テストをすると、その授業中に本人の目の前で採点をしてしまいます。

満点を取った子は、このテストのために頑張って良かったと、すぐに喜ぶことができます。

家に帰っても「今日、テストで満点をとった」と家族に知らせることもできます。

 間違いのあった子は、その採点に納得します。

まだ、他の子がテストをしている最中なので、私が声に出して解説をすることはできませんが、何が間違いなのかがその場でわかるからです。

 採点が終わった子は、満点なら余りの時間は好きな勉強をします。

間違いのある子は、教科書などを見て、直して持ってきます。

中には、自分より早く満点を取った子を、隣の空き教室に連れて行って教わる子もいます。

 間違い直しをしてきた子には、厳しく問いただします。

厳しく問いただすのは、「本来の正しい方法」ではなくて、間違えたやり方の分析です。

間違えた時、何をどうしたから、こうなってしまったのだ、と厳しく尋ねます。

 私と出会ったばかりの頃の子ども達の多くは、「うっかりミスをしました」と言います。

そう言う子には、特に徹底的にその理由を問いただします。

最初は戸惑いますが、慣れてくると、どんな「うっかりなのか」を正しく分析するようになります。

 ある子は、九九のある決まった箇所を時々間違える癖があることがわかりました。

ある子は、計算は割合得意だったはずなのに、ひき算だけが苦手だということに自分で気づきました。

ある子は、計算をメモする場所に、計算をいつもぐちゃぐちゃに書いてしまうので、他の問題の計算の数字が並んでしまって、それを間違えて回答欄に書いてしまったことが判明しました。

ある子は、問題文をよく読んでいないで、数字や図を見ただけで問題を解こうとしている癖があることがわかりました。

 子ども達は、もう自分のミスについて、「うっかり」という言葉を使いません。

「うっかり」は、自分のミスから逃げるための言葉だと気づいたからです。

 自分のミスに目をつぶったままでは、いつまで経っても根本的な改善や進歩はできません。

「うっかり」という言葉を使わなくなった子は、次第に、問題を解決する楽しさがわかってきて、大きく進歩します。

読者の方からの感想********************************

娘の「うっかり」は繰り上がり足し算のミスでした。

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 躓いている原因は、ほんの小さな落とし穴であることが多いようです。

あわてずに、ていねいに積み重ねることが、結局は一番の近道なのかもしれません。


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