一人でやりきる集中力は、おしゃべりから

 練習したことを本番で充分に発揮するには、一人でいる時に、自分で自分を緊張させる力が必要です。

 でも、小学校低学年の子に、そのまま言っても、伝わりません。

少し時間をかけて、「一人でやりきる集中力」をつけてやることが、周りの大人の役目だと思います。

 まず第一に有効なのは「おしゃべり」です。

 作業や思考に集中している子は、頭の中で、一人で会話しています。

 「これが、こうだから、こうでしょ…いや、ちがう、こっちかも…でも、これじゃあ、おかしいなあ…」

 こんなふうにずっと頭の中で「おしゃべり」を繰り返して思考を深めているのです。

 頭の中でおしゃべりを続けるためには、まず本物のおしゃべりを続ける力が必要です。

小さな頃から、お父さん、お母さんとたくさんおしゃべりをした子は、この力が自然に身についています。

 テレビを見たりテレビゲームなどをやってばかりの子には、この力はつきません。
テレビやテレビゲームは、その子のために語りかけてくれないし、その子が返事をしても反応してくれないから会話ができないのです。

 実際の会話経験がなければ、脳の中で会話することも無理です。

 小さい頃から、お父さん、お母さんからたくさん語りかけられ、会話が盛り上がる家庭で過ごした子は、一人でも集中して作業や思考ができるのです。

 少し大きくなったら、意図的に一つの話題で長く家族の会話をしてみましょう。

そうすることで、さらに、一人でも集中できる力が伸びます。


 『速効よい子』へ戻る   ホームページ『季節の小箱』へ戻る