つなげて発言するために
年度最後の授業参観の時、1年前の4月の授業参観を思い出しながら、お子さんの様子を見ると、大きな成長に驚かれることでしょう。
さて、お子さんは、授業中、進んで発言していましたか。
仲間とはいえ、40人の人間の前で発言するのは、なかなか勇気がいることです。
小さな頃は、無邪気に発表していた子も、高学年になると発表が少なくなるのは、よくあることです。
勇気なんていらないと6年生になってもどんどん発言できる子は、素晴らしい特別な資質を持って生まれ育ってきたと言っても言い過ぎではありません。
1年生の頃は、先生の質問に1対1で答えていれば立派な発言でしたが、6年生になるとそうはいきません。
全体の話し合いの流れを見て、前の友達の話にうまくつなげて話さなくてはいけないからです。
1年生の時は、あんなに元気に発表していたのに、どうしてこの頃は発表しないの、なんて、頭ごなしに言ってはいけません。
人の発言につなげて発言するのは、なかなか難しいことなので、一朝一夕には身に付きませんが、少しだけこつを知っていると、次第にできるようになります。
つなげ方は、「賛同」「対立」「疑問」の3つ。
「賛成」「反対」「わかりません」という言い方で、小学生は教わることが多いでしょう。
(「それはともかく」と話題を変えるつなげ方もありますが、これは最終兵器です)
この3つそれぞれに、2つの発言の仕方があることを知っていると、発言しやすくなります。
「賛同」では、「まったく同感です」と、友達の意見を繰り返し言う方法と、「同感です。それは、こんなところからもわかります」と他の場所から根拠を持ってくる方法です。
「対立」は、全面的に反対する方法と、ここまでは賛成ですが、この部分は賛成できませんと、部分的に反対する方法です。
「疑問」は、その意見がよく理解できないという場合と、その意見に関することでわからないことがあるという場合です。
「賛成」か「反対」か言いなさい、だけではつなげられません。
わからないことでもいいから言いなさい、では、何がわからないのかもわかりません。
3×2の言い方があることをいつも頭の中において、国語の物語文や、社会の資料を見ていると、次第に発言するチャンスが増えてきます。
家では、家族でニュースを見ながら、お子さんに「これ、どう思う?」と聞いて、賛成、反対、?の3つのうちのどれかが返ってきたら、「全部、賛成?(反対?)」とか「わからない言葉があるの?」などと聞き返し、少しだけ突っ込んでやると、思考は深まり、発言力もついてきます。
授業の発表力をつけるのは、九九を覚えるよりも、たっぷり時間がかかります。
読者の方からのお便り************
家でも、意見が言える子にすれば、世の中で、意見が言えるようになるんですね。
家の会話って大事ですね。
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成長の種は、大事にすれば、どこに蒔いても必ず芽を出します。