聞く技術
最近知り合った1年生のお母さんは、誰とでも話をする素敵な人です。
おしゃべりが苦手な私は、いつもうらやましく思っています。
こんなふうに人の気持ちをそらさずに話せるようになりたいと思っていました。
でも、今日、そのお母さんと話していて気づきました。
この人は話し上手というよりも、聞き上手なのだと。
この人は、一見、ずっと話しているようにみえます。
でも、実際に話してみると、私の話をよく聞いていてくれていることに気づきました。
こちらの声のトーン、息をする「間(ま)」から、私がその話をどの程度重要だと思いながら話しているかを的確につかんでくれているようです。
おしゃべりというのは、内容は一定でなく、軽く聞き流してくれればいい話をしているかと思えば、次の瞬間、自分の考え方の本質の部分を話しているということもあります。
そのお母さんのうなづき方、返事のタイミングがすごく適切なのです。
それで、おしゃべりしている相手の人は幸せになって、もっとおしゃべりしたいと思うのでしょう。
かといって、そのお母さんは黙ってうなづいているだけというわけではありません。
自分の考えもどんどん言っています。でもその内容や私の言ったことに対して応える返事の長さも、こちらを幸せにしてくれます。
今、そのお母さんの技術を細かく分析できないので、あまりお役に立ちそうにはありません。
でも、聞く力、聞く技術というものがあって、それはもしかしたら話す技術よりも重要なのではないかということを、ぜひ、頭の片隅に置いておいてください。
お子さんの話を聞いていますか。
お子さんはどんな顔で話していますか。
お子さんは話し終わった後、すっきりして幸せそうですか。
もし、話し終わった後のお子さんの顔が幸せそうなら、お父さん、お母さんは、聞く技術をすでに身につけています。