興味をもって聴く
新学期に楽しく学校に行こうとするかどうかは、初日がよかったかどうかで決まります。
が、それが決定されるのは、初日の昼間ではなく、初日の夜です。
初日に何が起こったかよりも、初日に起こったことを誰かに楽しく話せたかどうかで決まるのです。
起こった出来事のほとんどは、ものすごく良いことだったり、ものすごく悪いことだったりしません。
その出来事が良いことだったのか悪いことだったのかは、出来事そのものの性質よりも、その人の受け取り方が決定してしまいます。
ですから、初日に学校で何が起こったかよりも、起こったことを家族に楽しく話せたかどうかが、新学期に楽しく学校に行くための大きな鍵になります。
楽しかったことを楽しく話せたら、その楽しさは倍増します。
楽しくも、つまらなくもなかった出来事を楽しく話せたら、それは楽しい出来事に変換されます。
つまらない出来事でも、聞き手が興味をもって聴いてくれたら、それが自分にとって意味のある出来事のように感じられてきます。
今日の学校での出来事を、興味をもって聴いてくれる家族がいる子は、翌日も学校に行こうという気持ちになります。
「興味をもって聴く方法」の一つに「話し手の用語」を知る、があります。
言葉は共通のものですが、それぞれ使う人、使う場所などによって、独特の用語があります。
話を聴いてくれる人が、その用語を知っていてくれると、とても話しやすくなります。
お子さんの話でいうと、まずは人名。
友達や先生の名前が出てきた時、家族がお子さんと同じイメージを共有できていれば、話し手であるお子さんはスムースに話をすることができます。
知らない人の名前が出てきたら、その場で、簡単に「どんな子だった?」と聞いておきましょう。
しつこく聞くと、話の腰を折ることになるので、適度にしてください。
人名の他にも、学校の子供の中でしか流通していない言葉や、違う意味で子どもたちが使っている言葉もあります。
それを聴く方が正しく理解していると、話し手は、話すのが楽になり、楽しくなります。
(「子どもの使う言葉を親も使うと、子どもと親しくなれる」ように書いてある本がありましたが、これは間違いです。使う必要はありません。親は子供の言葉に惑わされず、正しい言葉を使ってください。ただ、子どもの言葉の意味を知っていることは重要です。)
「よい聴き方」については、カウンセリング関係の本やビジネス成功本などに、いろいろなこつが書かれているので、機会があったら読んでみてください。
でも、読めば読むほど混乱する場合もありますので、「このテクニックは、相手の話を自分が興味をもって聴くために役立つか」を基準に考えて、自分に取り入れるかどうかを決定するとよいと思います。