国語の力を伸ばす音読と会話

 先日、国語の力を伸ばすにはどうしたらよいか、という質問をいただいたので、それについて考えてみました。

 国語の力を伸ばすためには、基本的にこの3つの力をつけるトレーニングが必要だと私は考えています。

・文字が読める

・会話ができる

・言葉を映像化できる

 「教科書の音読」という学校の宿題は出ていますか。

もし出ていたら、充分に活用するつもりで、お子さんにやらせてください。

学校の学習の基本となる教科書がすらすら読めるのはとても大事なことです。

 漢字が読めるかどうかが気になるお父さん、お母さんも多いと思いますが、大事なのは、実は、平仮名を正確に読めているかどうか、です。

 「雨に負けず」と「雨にも負けず」では、意味が大きく変わります。

その違いがわかってくることが国語の勉強の大きなポイントですから、平仮名を正確に読む癖をつけてください。

すらすら読んでいる思える6年生でも、自分の思いこみで平仮名を読み替えてしまう子が意外に多くいます。

 教科書だけでは飽きてしまうので、新聞なども読むとよいと思います。

今年は教室で新聞の音読を取り入れようと思っています。

 次の「会話ができる」も重要です。人は思考する時に、頭の中で一人で会話していることが多いからです。

親子で、いろいろな話をしてください。

 おしゃべりのこつは、できるだけ長く、ひとつの話題でおしゃべりを続けることです。

そうすることによって、きちんとした道筋を通った思考をする癖が身に付いてきます。

話題は何でもよいと思います。大人と話すことが重要です。

 3つめの「言葉の映像化」ができるようになれば、もう安心です。

 ただ、頭の中で映像がきちんと浮かんでいるかどうかを、他の人が判断するのはとても難しいことです。

毎日いっしょにいる親子だからこそ、「ああ、この子は今、きっと頭の中でこういう映像を浮かべているのだろう」と想像することが可能です。

お子さんの頭の中にどんな映像が出来上がっているのかを想像しながらおしゃべりするのは、きっと楽しいと思います。

 国語の力を伸ばすために読書をしましょう、と、よく言われます。

 これがぴったり当てはまり、読書をたくさんしたおかげで、国語の力が伸びたという人も多いでしょう。

でも、そういう人は、読書を始める頃には、もう読書をする基礎ができていた人だと思います。

 読書をする基礎ができていない子に、「たくさん本を読みなさい」と言っても、なかなか思うようにはならないものです。

ましてや、読んだら必ず感想文を書きなさい、などと言われたら、その子は、一生、本を読まなくなります。

 国語の力を伸ばす基本は、まず、親子の会話です。親子で同じ文を読み、同じ話題でおしゃべりをする。

国語の力を伸ばすスタートは、ここからです。


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