文字一つも読み落とさずに
借り物の知識なので本当のところはよくわからないのですが、中国語や英語は、日本語に比べて、自分の思いを伝える語彙や細かな心情を伝える語彙が少ないそうです。
少ない語彙で思いを伝えなくてはならないので、英語や中国語で話す時は、大声になったり、身体表現が大きくなったりするのだと雑誌のエッセーに書いてありました。
同じ人が、日本語を話す時はとても静かに話すのに、英語や中国語を話す時には大きな声になることもよくあるようです。
日本人は表現が下手だとよく言われますが、実は、日本語が優秀なので、日本語をしっかりと使えれば、言葉だけで多くの気持ちや情報を伝えることができるのです。
でも、その日本語も、子どもたちを見ていると、少し不安な部分があります。
授業で朗読をさせると、小さな読み間違えが多く見られます。
「しなければならないので」→「しなければならないが」
「安全ではあるが」→「安全であるが」
「どのような時、利用するのか」→「どのような時、利用するか」
「は」や「の」が入ろうが入るまいが、そんなに差はないと思われるでしょうが、文脈によっては、微妙に気持ちや情報としての違いが生まれることが多いと思います。
もし、「音読の宿題」が出ているようでしたら、この機会に、こういう細かいところをチェックしてみてください。
豊かな日本語を身につける学習は、こんな小さな一歩から始まります。
また、方言のイントネーションを気にされて、お子さんの本の朗読の仕方に、あまり口を出されないお父さん、お母さんがいらっしゃいます。
そんなことは、まったく気にしなくていいです。
お子さんの読み方が変だと思ったら、自信を持って直してやってください。
お父さん、お母さんの普段の生活の言葉が、心を届ける「生きている言葉」なのですから。
読者の方からのお便り*******************************
以前テレビでB'zのドキュメンタリーをたまたま見たんですが、稲葉が1字にこだわっていたことを思い出しました。
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私も歌作りが好きなので、すごくよくわかります。
日本語には、どうでもいい一文字と、絶対に置き換えられない一文字があります。
お子さんが素敵な日本語を話した時に、ぜひ、すかさず褒めてやってください。
ちなみに、B'zを「ビーズ」と読む時、「ズ」の方を上げたイントネーションで言う人が多いと思いますが、松本さんがインタビューで、「僕たちはビーズです」と、「ズ」の方を下げたイントネーションで言っていました。