問題を読んでいるかな
テストをやると、子どもたちが問題をよく読まずに答えていることが、わかります。
例えば、「次の文の中で、正しいものはどれでしょう。正しいものを2つ選びなさい」と言う問題では、ひとつだけに○をつけて終わってしまう子がいます。
こんなこともあります。
直角は( )度です。
( )に当てはまる数字を3つの中から選び、記号で答えなさい。
(ア) 50 (イ) 90 (ウ) 100
こういう問題では、( )の中に、90と書く子が、けっこう多いのです。
意地の悪い問題が多いわけではありません。
問題文、特に、答え方に関する部分を読まないで、あわてて答えてしまうことが多いようです。
問題をていねいに読みなさいと口うるさく言っても、なかなか直りません。
4年生に、この話をしたら、「私たちは大丈夫」と全くの他人事です。
そこで、わり算の授業中に、こんな問題を出してみました。
12本の鉛筆があります。4人に同じように分けます。最初にあった鉛筆は何本でしょう。
信じられないかもしれませんが、全員、口をそろえて
12÷4=3 答え3本
と答えました。
これには、本人たちも驚いていました。
文を読むことは、学習の大事な基本のひとつです。
今、国語の授業は、「読む」時間が大幅に削減され、「書く」ことに多くの時間が使われるようになりました。
学習は、アウトプットした時に真の実力となるので、書くことに時間をかけること自体は悪いことではありません。
でも、その分、物語のひとつひとつの言葉を吟味して、じっくり日本語に向き合う時間は、本当に少なくなりました。
物語に感動して、言葉そのものを愛せれば、どんな時も、文をしっかりと読もうとする心が育まれ、読み落としは減っていきます。
でも、時代も日本の教育方針も、情報をすばやく読み、必要なものだけを取り出すことが、より良いことだという方向に向かって進んでいます。
この方針がこれからの日本をどのようにしてしまうのか、私には見当がつきませんが、少し心配ではあります。
夏休みなどは、子どもたちも、少しだけ時間に余裕ができます。
大人の忙しさは変わらないでしょうが、できれば、こういう子供に余裕のある時に、親子読書の時間が取れれば、最高です。
テレビを見る15分を親子読書に替えるだけで、お子さんの人生は、大きく変わっていくと思います。
15分…朝ドラ1話分の長さです。
読者の方からのお便り**************************
一日15分、本読みします。
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ぜひ、やってください。4日で1時間、40日で10時間の読書です。