新聞を読む
5年生の国語の授業中に新聞を読む時間を設けました。
4月に新聞を読み始めた頃は、漢字の読み方に四苦八苦していましたが、それも慣れるに従って、見たことのない熟語も読み方を予想して読めるようになってきました。
漢字の音読みの仕組みを理解して応用できるようになってきたのです。
こうなると、最初は大変なだけだった新聞も、少し楽しくなってきます。
漢語の意味が予想できれば、さらに楽しくなります。
漢語の意味は、まず訓読みの中に隠れています。
新出漢字を覚える時、音読み・訓読みを正しく覚えたり、熟語をたくさん知っている子は、意味を見つけるのが得意です。
加えて、漢語の性質を少し知っていると、さらに正しく予想できます。
「乗車…車に乗る、不足…足りない」中国語の語順は日本語よりも英語の語順に近くなっている部分があります。
7月に国語で、漢文の勉強をしたところ、「眠不覚」は、「眠れない」ではなく、「眠って起きない」こと…など、『春暁』という漢詩を、白文から漢語の意味を予想して、多くの子がこの詩をほぼ正しく日本語に訳せました。
漢語の知識が着実に身についています。
言葉をはじめ、知識が増えれば新聞を読むのが楽しくなります。
新聞を読むのが楽しく好きになれば、進んで新聞を読み、知識や知恵が増えていくという好循環が生まれます。
人は、好きなことしか積極的に取り組みません。
「好き」こそ、勉強の秘訣です。
ただ、忘れてはならないのは、好きなことというのは、ほとんどが「自分が上手にできること」です。
上手にできるようになるためには、やり始めは「たくさん」やることが必要です。
自転車の漕ぎ始めは、ものすごい力でたくさんペダルを踏まなければなりません。
どんなに大変でも、スピードに乗るまでは、あきらめずに漕ぎ続けることが必要です。
スピードに乗ったら、後は楽しいサイクリングです。ここまで行ったら、自転車大好き、です。
勉強をはじめ、どんなことでも、楽しく進んでやり、それができる人になるための第一歩は、とにかく始めの頃にたくさんそれをすることです。
お子さんと一緒に新聞を開いてみませんか。
新聞は、活字に慣れることだけでなく、「全体のレイアウトをつかみ重要な部分を短い時間でつかむ」能力を引き上げることができます。
ここが、ネットのニュースを読むこととの一番の違いかもしれません。