秋の親子読書

 私の勤めていた学校では、読書週間に親子読書をしてもらっていました。

お父さん、お母さん方は真剣に取り組んでくれて、素敵なレポートがたくさん集まっています。

 そのひとつひとつを紹介したいのですが、個人情報が…などと、世間がうるさいので(情報を悪用する人が世界からいなくなれば、こんなことにはならないのですが)、今日は、お父さん、お母さん方からいただいたレポートに書いた、私の返事の方を、ここに書きます。

お父さん、お母さんからの元のメッセージがなくて、私の返事を読んだだけでは、意味もよくわからないと思いますが、ご容赦ください。

・子供が選ぶ本も楽しいですが、お父さんやお母さんが子供の頃読んだ大好きな本を、子どもが読んでくれるのもうれしいものです。これから長い夜が続きます。この季節に親子で本をたくさん楽しんでください。

・感想「文」は、1年に1度で充分です。読み終わった後、大人と感想を楽しくおしゃべりできることが子供の能力を伸ばします。親子で同じ本を読んで、おしゃべりをたっぷり楽しんでください。

・これを機会に、親子で散歩しながら自然を楽しんだり、植物園に足を運んだり…、また、そこで得た情報を、本に戻って知識に置き換えたり…。本と生活のスムースな行き来が、読書を豊かにしますね。

・「大好きなもの」がたくさんある人は、素敵な人生を送れます。同じものが大好きな人と友達になれるからです。これからも、この本を開いて、大好きなものを増やして、心の部屋をどんどん大きくしていってください。

・14歳までは、声に出して読んだり、読んだ本についておしゃべりすることもとても大事です。お母さんが小さな頃読んで大好きになった本を一緒に読んで、その本についておしゃべりしてみませんか。中学生向きの難しい本でかまいません。

・A君のおなかから出るまっすぐな声は、いろいろなキャラクターを演じられる可能性を秘めています。親子読書の時間が増えることで、A君の才能は磨かれると思います。

・相手は自分の鏡ですね。相手をやさしい人だと思っている時は、自分もやさしい気持ちになっている時です。自分にやさしい気持ちのない時は、相手のやさしさに気づきません。やさしい人に囲まれて生きるのが最も素晴らしい人生です。やさしい人の中心にいる自分が、いちばんやさしい人間だからです。

・大好きな本を1冊、いつも携えているのは、とても大事なことなので、一生続けてほしいと思います。大好きな本から、関連した本に広がっていくと、さらにいいですね。

・学習で最も大きな効果が出るのは発信する時、中でも自分の好きな人に伝える時です。14歳を過ぎるまでは、一人で黙々と読むよりも、人に伝えたり交歓したりしながら読むほうが、読書の効果はあがります。まだ、しばらくは、親子読書を中心にしていくとよいと思います。

・子供の行動から何かが得られた時、大人が素直に「うれしい」と子どもに伝えられると、子どもの心は一歩大人に近づきますね。新しい情報を、親子が同時に得た時、互いの絆が深まることも多いと思います。

・心のカップから溢れ、こぼれてしまうほど親の愛を注がれた子は、大人になった時、他人の人生を救える愛情あふれる人になっています。14歳までは、べたべたに愛を注いでください。

・人に伝わるように読もうとした時、最も良い読み方になります。また、良い読み方になった時、最も本の内容を理解したことになります。人に伝えようとする心が頭をよくするということです。これからも、お子さんに、たくさん読んでもらってください。


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