読書の梅雨
子ども達にとって梅雨は大敵。外で遊べなくなるからです。
外で遊べない日、お子さんはどのように過ごしていますか。
私の勤めていた学校では、この時期を「読書旬間」として、読書を勧める期間にしています。
読み聞かせボランティアのみなさんに来ていただく。担任が読み聞かせをする。
親子読書、校内読書郵便等、担当の先生や図書委員会の子ども達が、いろいろな企画をしてくれます。
朝の始業前の15分を、この時期だけは全部読書に当てますが、本当に静かに本を読んでいます。
読書貯金も全校で行っており、6年生の目標は月間8百ページ、年間1万ページですが、楽々クリアする子がたくさんいます。
もちろん、どれだけ深く読むか、ということが最も重要です。
しかし、やはり、それ以前に、ちょっとした時間に本を開くとか、いつでも読みかけの本を携えているといったことが習慣として身に付いていることが、小学生にとっては重要です。
毎朝、全員が発表する「今日の幸せ」のコーナーで、A君が「昨日たくさん本が読めたので幸せでした」と言いました。
A君は、1ヶ月の間、私のテレビ禁止令に反論し続けた子です。
今は、もうだらだらテレビを見る生活はしていないようです。
サッカーが大好きなA君は、ヨーロッパ選手権を家の人に録画してもらって、毎試合楽しみにじっくりと見ているそうです。
目的を持って番組を選び、家の人の許可を得て、録画して見るのは、テレビの正しい「使い方」だと私は思います。
A君は、テレビの使い方について1ヶ月考え続け、テレビを有効に使えるようになったことで、読書の楽しみも改めて得ることができました。
子どもは(大人も)、苦手なこと、やり慣れないことは、なかなか自らやろうとはしません。
でも、自分が上手にできたり、知らぬうちに習慣化されてしまうと、進んでやるようになります。
お子さんに、どうしても「こうしてほしい」ということがあったら、やり始めは、厳しくしたり、あきれるほど繰り返しやらせたりすることも必要だと思います。
子どもの読書の重要性は、誰もがわかっています。
もし、お子さんが読書にあまり関心がないようでしたら、読み聞かせ、親子読書、読書貯金、…、なんでもいいので、この機会に、ちょっと無理をさせてみませんか。
自転車の漕ぎ始めのように、最初はなかなか進まないでしょうが、読書の秋の頃には、すいすい進んでいるかもしれません。