まず何よりも、文書を読む力をつける

 以前も紹介しましたが、私の勤める学校では、年間で1万ページの読書をしましょうということで、800ページ以上読書をした月はシールがもらえます。

私の担任する6年生の学級では、1月末現在で、31人中20人が、1万ページを越えました。

一番多い子は、多分、3月までに10万ページに届くと思います。

 IT時代に読書は時代遅れだと思っている人がいる、と聞いたことがあります。

本を読むよりも、パソコンの操作を勉強させた方がよいと考えているようです。

 残念ながら、今のテクノロジーでは、文字はなくなりません。

いつかは、(イメージをテレパシーで交換するような)文字が無くても全てを伝え合うことができる技術も発明されるのでしょうが、今の科学の延長線上には、そう簡単には、そういう未来は考えられません。

ですから、仕事の契約を、文字、文書で交わす方式は、当分変わらないと思います。

 契約書をしっかりと理解できない人は、思わぬところで損をすることがあります。

悪意を持って契約書を作成する人がいたら、損をするどころでは済まない結果になります。

 ネットもテレビもなく、読書や漫画を読むことが子どもの楽しみの一つであった時代には、今ほどの文書理解能力の差はありませんでした。

 契約書という文書が存在する限り、読書に時間を使う子と、ネットの動画やSNSに時間を使う子とでは、「人生全体における格差」がどんどん広がっていくでしょう。

 活字を読みこなせる人間に育てるのは、親の大事な役目です。

 もちろん、ただ大量の読書をしただけでは文章理解能力は身につきませんが、それでも、本に触れる機会が少ないと感じたら、まず「ページ数で読ませる」ことから始めるのも有効です。

 お子さんの読書の状態に不安になったら、

・とりあえず本を一緒に買いに行く

・家族で図書館へ行く習慣を作る(曜日を決める)

・親子読書(互いに読み聞かせをする、ページ競争をする…)のアイデアを考える

 こんな読書環境を、できれば今すぐ、だめなら4月スタートを目指して、整えてください。


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