もったいない時間

 地下鉄に乗っていたら、向かいの席に、幼稚園くらいの女の子とお母さんが座りました。

 女の子は、すぐに絵本を開いて読み始めました。

お母さんは、スマホを取り出し、何かを始めました。

私が見ていたのは10分にも満たない時間でしたが、その間、わずか1回だけお母さんとその子は言葉を一言交わしました。

その他の時間は、お母さんは、ずっとスマホを見ていました。

 女の子は、じっと絵本を読んでいました。とても、もったいない時間です。

もし、女の子が読んでいる間、お母さんも一緒に読んでいたら、この子は、もっともっと本が好きになります。

そうでなくても、横からお母さんが一緒に本を見ているという雰囲気を味わうだけでも、本が好きになるのです。

 この子は、すでに本が好きです。

きっと小さな頃、たくさん、読み聞かせをしてもらったからだと思います。

読み聞かせの経験なしに、6歳以下の子が読書好きになることは、ほとんどありません。

あと一押し、10歳までの、きっと、あと5、6年、お母さんがスマホをしまって、この子の本を覗き込むことを続ければ、この子は、一生、本を友達にする人生を歩むでしょう。

それどころか、早くも小学生のうちに、読書のよい影響が出て、能力の開花が見られるかもしれません。

 子育ての時間は、人生全体を考えると、本当に短いものです。

この短い時間を大事にするかどうかで、子どもの人生も親の人生も変わってきます。

 ただ、残念なことに、この時間が大事だと気づくのは、後になってからなんですよね。


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