素敵な本に出会えたら
クラスの目標を、「全員読書1万ページ」と子どもたちが決めました。
1万ページというと、一見、途方もない数字のように思えますが、1か月で9百ページ、1日30ページと考えれば、少し本が好きな子にとっては、さほど多いページ数でもありません。
本が特に好きではない子でも、面白い本に出会えば、あっという間に30ページを読んでしまうでしょう。
世の中には数えきれないほど本があふれているのに、どんな本が面白いかという情報は、思っているほど簡単には手に入らないものです。
特に子どもたちにとっては、その情報を手に入れることは難しいと思います。
お父さん、お母さんが小さな頃読んで感動した本のことを、お子さんは知っているでしょうか。
そうした本を家族で本を紹介し合うことで、素敵な本に出会った子はたくさんいます。
家族でいっしょにいられる時間に、本について語り合ったり、お小遣いを現金ではなく、本や図書券に変えたりすることでも、本に出会うチャンスは広がります。
昔に比べ、書店の数は随分少なくなってきましたが、買い物のついでに街の大きな書店に寄ったり、図書館で過ごしたりする習慣が子供のころに身についてしまうと、一生ものの宝物になります。
小学校の間に活字をたくさん読んだ子は、大人になった時、脳の視覚応答の精度が高くなるという研究が発表されたようです。
文字認識はもちろん、顔や物に対しても全般的に視覚処理能力が高まるそうです。
人の顔を覚える力は、仕事をする時、大きな威力を発揮することでしょう。
マララさんのように学校に通っているというだけで殺されそうになる子どもさえいるという今の世界の中で、日本の子どもたちは、学ぶ事を保障され、読みたければ、いくらでも本が読める環境にいます。
一人でも多くの日本の子供が、学べる幸せに気づいてほしいと願う今日この頃です。